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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4015】奥 feeling 純米吟醸 夢吟香 黒ラベル(おく)【愛知県】

2019.10.21 16:50
愛知県西尾市 山崎合資
愛知県西尾市 山崎合資

【S居酒屋にて 全12回の⑤】

 年に1~2回飲んでいる5人グループ。もともとTとわたくしは仕事で知り合い、よく2人で飲んでいた。Tの友人が次々に加わり5人のメンバーとなった。場所は、酒の種類が非常に多いS居酒屋だ。キャパも大きい。しかし、キャパの割りには静か。キャパの大きい大衆居酒屋だと酔ってオダを上げる客が多く、隣りの仲間と話すのにも一苦労するほど騒々しい。しかし、ここはオダを上げる客はおらず、全体的に上品な雰囲気。なんてったって、東京・銀座の居酒屋だから。

「初亀 純米大吟醸 亀」「田光 純米吟醸 Malic acid」「西條鶴 純米吟醸 破天荒」「二世古 純米吟醸」と飲み進め、5番目にいただいたのは「奥 feeling 純米吟醸 夢吟香 黒ラベル」だった。山崎合資のお酒はこれまで、当連載で4種類取り上げており、うち3種類が「奥」だ。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 旨みがたっぷり、酸も立つ。これが第一印象。香りはリンゴのような果実香。アルコール分が強く感じる。旨みは甘みを伴う。余韻は苦みと渋みが長く続く。分厚く力強い酒で、存在感があるが、なめらかな口当たり。旨いなあ。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米品種名 夢吟香100%、アルコール分18.5度、精米歩合60%、製造年月19.04」。

 使用米の「夢吟香」(ゆめぎんが)は愛知県農業総合試験場作物研究部が、母「山田錦」と父「育酒1764」を交配、2010年に命名、2012年に種苗法登録された新しい酒造好適米だ。

 また、今回の酒の瓶の裏ラベルには「コンセプト ワーカーズ セレクション」と題し、以下の文章を掲載している。

「我々はいつから、お酒を『頭で飲む』ようになってしまったのでしょう。本来のお酒の楽しみ方は、その土地の風土や造り手の哲学が1本のボトルに表現されたお酒を、それぞれの飲み手が自らの『感性』でもって楽しむことが一番だと考えます。コンセプト・ワーカーズ・セレクションは、このような『感性に訴えるモノづくり』を一番に開発された商品たちです」

 全国の18酒蔵がこれに参加している。「奥」もその一つで、今回の酒は、このセレクションの商品の一つ。

 この蔵の主銘柄は長らく「尊皇」だったが、2002(平成14)年から、「夢山水」で醸した酒「奥」を発売している。今回は例外的に「夢吟香」を使用し、「奥」を名乗った。

 蔵のホームページによると、1920(大正9)年に商標「尊王」使用、1931(昭和6)年から「尊王」の連合商標として「尊皇」使用している。

 コトバンクによると、「尊皇」の由来について「酒名は、近くの古刹・祐正寺に掛けられている源千秋の書による額『尊皇奉佛』にちなみ命名」と説明している。「尊皇奉佛」とは、天皇制と仏教の融合という、当時の政教一致の意味である。

酒蛙

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