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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3980】仙禽 線香花火(せんきん)【栃木県】

2019.9.30 22:02
栃木県さくら市 せんきん
栃木県さくら市 せんきん

【F居酒屋にて 全18回の①】

 2カ月に1回、M居酒屋で定例飲み会を開いているTU会。年に1回は遠征して飲んでおり、今回の店は、わたくしがここ数年お世話になっているF居酒屋だ。福島県出身の店主とスタッフの人柄が素晴らしく、酒のラインナップも料理の美味しさも文句なしだ。TU会7人が酒と料理を楽しんだ。

 店主がトップバッターとして持ってきたのは「仙禽 線香花火」だった。「仙禽」(せんきん)は、飲む機会が非常に多い酒で、当連載ではこれまで23種類も取り上げている。以前は甘旨酸っぱい濃醇な酒が印象的だったが、近年は落ち着いたきれいな酒を醸しているようにおもえる。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 KA「甘い。酸があるね」
 酒蛙「バナナ系のフルーティーな香り。甘旨酸っぱく、豊かな味わい。『仙禽』の甘酸っぱいお酒を久しぶりに飲んだ気がする」
 W 「ものすごく飲みやすい。さわやか。フルーティー」
 TU「後味が悪くない」
 酒蛙「ジューシー。甘旨酸っぱい酒に多い濃醇なタイプではなく、厚みは適度。口当たりが滑らか。実に飲みやすい」
 KO「美味しいなあ」
 ヨネちゃん、W「飲んでいたら、さらに酸が出てきた」
 KA「美味しいですね」
 酒蛙「はい、まったくもって美味しい。甘み、旨味、酸のいずれもが一段高い所にある上品さ。そして、酸がきれいだ。透明感があり、レベルが実に高い酒だ」

 瓶の裏ラベルには、この蔵の酒造りに対する基本姿勢が以下のように書かれている。

「仙禽とは鶴を意味す。
ドメーヌ。仙禽はすべての原料米に対してドメーヌ化を行いました。蔵に流れる地下水(仕込み水)と同じ水脈上にある田圃だけに限定し、原料米を作付けします。仙禽にとって、その米と水は最良のマリアージュを約束します」。これは、ワイン造りで行われている姿勢だ。

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 ドメーヌさくら・雄町(栃木県さくら市産)、精米歩合50%、アルコール分15度、製造年月2019.8」

 以上のことから、ものすごくこだわりをもって酒を造っていることはよく分かる。しかし、特定名称の区分(純米、純米吟醸など)を明らかにしていないのは、飲み手にとっては非常に残念だ。スペックから類推すると、純米大吟醸か純米吟醸だとおもうが…。

 酒名・蔵名の「仙禽」の由来について、日本の名酒事典は「『仙禽』は古語で、“鶴”を意味し、酒名は長寿を保つめでたい鳥にあやかって命名」と説明している。モダンシリーズのラベルの「仙禽」の文字は、鶴を模したものだ。

酒蛙

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