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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3973】浅茅生 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒(あさぢを)【滋賀県】

2019.9.23 22:13
滋賀県大津市 平井商店
滋賀県大津市 平井商店

【B居酒屋にて 全4回の③】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが2種類ほどある程度だ。このため常日ごろ、飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「花ノ文 特別純米 原酒 雄町 瓶火入れ」「高尾の天狗 純米吟醸 ひやおろし 生貯蔵原酒」に続いていただいたのは「浅茅生 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒」だった。平井商店のお酒はこれまで当連載で「浅茅生 特別純米 生原酒 無圧無濾過」(当連載【1681】)と「湖都かがみ 純米吟醸」(当連載【1948】)の2種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 酒をグラスに注ぐと、グラスの内側に、気泡がびっしりと付く。案の定、ガス感があり、舌先をチリチリ刺激する。味わいは、甘旨酸っぱくて、ある意味ラムネに似たような味わいで、非常にジューシー。後味はわずかに苦み。含み香は、メロンのような香り。これに飴を煮詰めたような甘やかな香りが混じる。味わいでは、酸が一番良く出ており、苦みとともに爽やか感を演出している。酸が立ってジューシーなので、くいくい飲んでしまうお酒だ。まったく飲み飽きしないお酒だ。味見をした仲居さんも「いっぱい飲んじゃいそうなお酒だね」と目を丸くしていた。

 ラベルの表示スペックは「滋賀県大津産山田錦全量使用、アルコール分18度、原材料 米(滋賀県産)米麹(滋賀県産米)、精米歩合60%、日本酒度+4、酸度1.7、アミノ酸度1.1、製造年月01.8」。

 酒名「浅茅生」の意味は何なんだろう。コトバンクは、「浅茅生」を「浅茅の生えている所」とし、要領を得ない。次にコトバンクで「浅茅」を引くと「まばらに生えた、または丈の低いチガヤ。文学作品 では、荒涼とした風景を表すことが多い」とのこと。

 さて、なぜ「浅茅生」を酒名にしたのだろうか。レファランス協同データベースの、滋賀県立図書館の調べを以下の転載する。

「『日本の名酒事典』によりますと、その由来としては『1677年、後水尾天皇の皇子聖護院宮道寛親王より賜った和歌より命名された』とあります。1677年は元号では延宝5年になります。なお、平井商店に問い合わせたところ、道寛親王の和歌は、『浅茅生の志げき野中の真清水はいく千世ふともくみはつきせじ』でした」

酒蛙

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