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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3970】みむろ杉 純米吟醸 露葉風 中汲み 無濾過生原酒(つゆはかぜ)【奈良県】

2019.9.20 22:37
奈良県桜井市 今西酒造
奈良県桜井市 今西酒造

【B居酒屋にて 全4回の④完】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが2種類ほどある程度だ。このため常日ごろ、飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「羽陽辯天 特別純米 つや姫」「会津娘 純米吟醸 穣 羽黒7」「誠鏡 純米 雄町 八拾 番外品 無濾過生原酒」と飲み進め、最後4番目にいただいたのは「みむろ杉 純米吟醸 露葉風 中汲み 無濾過生原酒」だった。今西酒造のお酒はこれまで、当連載で「みむろ杉」(「三諸杉」も含む)を7酒類、「今西」を3酒類取り上げている。濃醇酸味の力強い酒、というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 ラムネをおもわせる甘旨酸っぱい味わいの、ジューシーな濃醇酒。これが第一印象。余韻はフレッシュできれいな酸。これは旨い! 力強くボディー感たっぷりだが、キレが良い。潔く、すぱっとキレる。ばあちゃんのタンスの香り、セメダイン香(酢酸エチル香)、洋梨香などが一緒になった含み香が、なかなかいい感じだ。実に旨い。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「酒の神が鎮まる地 奈良・三輪で350有余年醸す酒『みむろ杉』 仕込み水は蔵内井戸から湧き出る御神体『三輪山』の伏流水、米はその水が湧き出る源流地で蔵人自ら田に入り契約農家と共に育てた奈良県唯一の酒造好適米『露葉風』を100%使用。味と香りのバランスの良い中汲み部分のみを槽口から直接瓶詰した、とことん『三輪』に拘った純米吟醸です」

 蔵のホームページは「酒造り発祥の地『奈良・三輪』」と題し、以下の文を掲載している。

「酒造りは三輪の地が発祥だといわれています。酒造りを話す上で欠かせない場所がここ三輪にある大神神社です。 大神神社は日本最古の神社で、本殿を持たず、三輪山をご神体として祀っている神社です。三輪山は古来から『三諸山(みむろやま)』と呼ばれ、『うま酒みむろの山』と称されるは『みむろ(実醪)』すなわち『酒のもと』の意味で、 酒の神様としての信仰からの呼び名でりあります。そのため毎年11月14日は大神神社に全国中から蔵元・杜氏が集まり『醸造祈願祭』が行われます。境内では振舞酒も行われ、醸造家とともに多くの参拝客・観光客でにぎわい、また醸造祈願祭の後には全国の酒蔵へと杉玉が配られていきます」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料 米(国産)米麹(国産米)、原料米 露葉風100%、アルコール分16度、精米歩合60%、製造年月2019.2」。

 使用米の「露葉風」(つゆはかぜ)について、「風の森 露葉風 純米大吟醸 しぼり華 無濾過無加水生酒」(当連載【3864】)の裏ラベルは以下のように説明している。「奈良県のみ生産される酒米、露葉風。心白がとても大きく、調和のとれた複雑味のある味わいがその特徴です。ただ綺麗なだけではなく、奥行きと立体感のある酒質をお楽しみください」

「露葉風」は愛知県農業試験場が1953年、母「白露」と父「早生双葉」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1963年に命名された酒造好適米だ。

 酒名「三諸杉」(みむろすぎ)の名の由来について、コトバンクは「酒名は、三輪山の別称『三諸』と、酒の神を祀る大神(おおみわ)神社の御神木「杉」を合わせて命名」と説明している。

酒蛙

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