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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3968】会津娘 純米吟醸 穣 羽黒7(あいづむすめ じょう)【福島県】

2019.9.19 9:57
福島県会津若松市 高橋庄作酒造店
福島県会津若松市 高橋庄作酒造店

【B居酒屋にて 全4回の②】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが2種類ほどある程度だ。このため常日ごろ、飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

 まずは、「羽陽辯天 特別純米 つや姫」を選択、次に「会津娘 純米吟醸 穣 羽黒7」をいただく。当連載では「会津娘」を3種類取り上げている。今回のお酒は、ラベルに「羽黒7」と書かれているのが目につく。

 調べてみたら、この蔵のモットーは「その土地の人がその土地の米と水を使い、その土地の手法で仕込む『土産土法の酒造り』を目指す、会津の地酒蔵です」とホームページでうたっている。ワインでいうところのテロワールである。

 この蔵は「土産土法の酒造り」を具現化するため、田んぼごとに酒を造っているというからすごい。酒販店「いまでや」(千葉市)のサイトは「こちらは一枚の田んぼで穫れたお米ごとに仕込まれる『穣』シリーズのお酒。蔵の周辺にある自社田の中から、特徴的な7枚の田んぼが選ばれ、田んぼごと、季節ごとに蔵出しされていきます」と説明している。

 今回のお酒は一ノ堰地区の「羽黒7番」と名付けられた水田から穫れたコメで造ったお酒なのだ。裏ラベルには「QRコードから田んぼへとご案内します」と誘導するほどのこだわりようだ。調べてみると「羽黒46」「羽黒前27」「羽黒西64」というものもある。さて、いただいてみる。

 おおおっ、と声に出た。完熟バナナと完熟メロンを合わせたような芳香が口の中にあふれたからだ。わたくしの声に驚いた仲居さんが、「どれどれ」と含んでみたら「わーっ、本当だああ! 完熟バナナと完熟メロンだああ」と大騒ぎだ。

 この含み香の果実香は、セメダイン香(酢酸エチル香)にも似ている芳香だ。芳香のほか、酸がずいぶん出ている。旨み適度で、さっぱりとした口当たりで、軽快感がある。くどさは全く無い。酸味良く、余韻は苦み。飲み飽きしない。ガンガン飲めてしまう。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%、アルコール分16度、原料米 会津産 五百万石100%、栽培圃 一ノ堰羽黒7 2018年産、製造年月 2019.2仕込 2019.7蔵出」。仕込み日と蔵出し日を分けて表示しているのは、非常に親切だ。

 酒名「会津娘」の由来について、コトバンクは以下のように説明している。「酒名は、人情味豊かで物静かだがしんの強い会津娘の美しさにあやかり命名」と説明している。

酒蛙

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