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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3950】琵琶のさゝ浪 Sasanami~ささなみ~秋 純米吟醸(びわ)【埼玉県】

2019.9.5 14:07
埼玉県入間郡毛呂山町 麻原酒造
埼玉県入間郡毛呂山町 麻原酒造

【B居酒屋にて 全5回の④】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが1~2種類ある程度だ。このため常日ごろ、飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「七ロ万 純米吟醸 一回火入れ」「田中六五 65|13」「澤屋まつもと 守破離 赤磐産朝日2018」に続いていただいたのは「琵琶のさゝ浪 Sasanami~ささなみ~秋 純米吟醸」だった。麻原酒造はこれまで当連載で5種類を取り上げている。このうち、「Sasanami~ささなみ~」シリーズは、「琵琶のさゝ浪 Sasanami~ささなみ~春 純米大吟醸 生」(当連載【3386】)をいただいたことがある。

 今回のお酒を飲む前に、店長が「1年、冷蔵庫で寝かせた酒です」と教えてくれた。「なぜ?」とわたくし。「この酒は、その方がいいと思って。この酒、燗酒の方がいいですよ」と店長。なんだか、要領を得ないやり取りだ。突っ込むのも面倒なので、ここは店長の言う通り、湯煎の燗酒でいただくことにする。温度は45℃の上燗。真夏の燗酒もまた、いいもんだ。さて、いただいてみる。

 独特な含み香。極端に例えるなら化粧品的な吟醸香。そう口にしたら、店長が「ちょっとクセがありますね」と同調。わたくしも「そうそう、それそれ」と激しく同調する。

 口当たりは、やわらかで、やさしい。甘みと旨みが適度に出ている。そして、辛みと酸がやや前に出てくる。中でも、辛みが立ち、けっこう辛い燗酒。独特な香りは終始、支配する。

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合60%、アルコール分15度、日本酒度+2、アミノ酸度0.7、酸度1.4、製造年月 2018年3月」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。せっかく、酒度、アミノ酸度、酸度まで丁寧に表示しているのに残念だ。

 埼玉県の酒なのに、なぜ「琵琶」の名を使っているのか。これについて、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「初代麻原善次郎は琵琶湖の畔に生まれ、九歳にて東京青梅の酒蔵へ奉公に入り、二十九歳の時、現在の地、毛呂山にて開業するに至りました」。また「さゝ浪」については、「心をこめて人に喜ばれる酒造りをしていれば、人から人へ『さざ浪』の如く、世の中に伝わっていくだろう」という思いを込めて詠んだ初代麻原善次郎の歌に由来する。

酒蛙

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