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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3946】あたごのまつ 純米大吟醸 白鶴錦(はくつるにしき)【宮城県】

2019.9.3 20:29
宮城県大崎市 新澤醸造店
宮城県大崎市 新澤醸造店

【日本酒研究会月例会 全6回の⑥完】

 異業種間の日本酒研究会。単なる飲み会だが、ちょっと気どって研究会だ。足掛け13年目に突入した超長寿飲み会。M居酒屋で毎月開いてきたが、この間、一度も休まず飲んできた。みなさん、なんと研究熱心なことか。今回は5人での月例会となった。

「晴菊 特別純米」「東白菊 城址宴 特別純米」「夢花火 恋花火 吟醸」「金雀 伝承山廃造」「安芸虎 純米大吟醸 雄町米使用」と飲み進め、店主が最後6番目に持ってきたのは「あたごのまつ 純米大吟醸 白鶴錦」だった。

 新澤醸造店のお酒はこれまで当連載で13種類を取り上げており、うち愛宕の松(あたごのまつ)は8酒類、伯楽星2酒類、その他3種類という内訳。

 店主が最後に「あたごのまつ 純米大吟醸 白鶴錦」を出すのをあらかじめ知っていたため、わたくしはメンバーに謎解きを問いかけた。「次の銘柄は、味のすべてが中庸。特徴はないが、落ち着いていて、上品感がある。さて、何だ?」と。メンバーの一人Yが「愛宕の松!」と答えたのにはぶったまげた。わたくしとしては「綿屋」か「伯楽星」との答を想定していたが、見事に外れた。さすが、日本酒研究会のメンバー。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 F 「甘い」
 酒蛙「そんなに甘くない。甘みは適度。旨みも適度」
 S 「いい酒だね」
 酒蛙「独特な含み香。やわらかな口当たり。余韻は酸がすこし。飲んでいると、だんだん酸が出てくる。上品で、落ち着き感がある。ひとことで言うならば、きれいな『淡麗旨口』酒だ」
 F 「飲み飽きしない酒だ」
 酒蛙「その通り。純米大吟醸だが、食中酒に最適だ」

 ラベルの表示は以下の通り。「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、アルコール分16%、使用米 兵庫県産白鶴錦100%、製造年月2019.7」

 使用米の「白鶴錦」を開発したのは、日本酒最大手の白鶴酒造だ。蔵のホームページは、「白鶴錦」を開発したいきさつについて、以下のように説明している。

「白鶴酒造は新しい試みに着手しました。『山田錦』の母にあたる『山田穂』と父にあたる『渡船』を約70年ぶりに交配させ、『山田錦』の兄弟品種を作る試みです。兄弟米の中には山田錦をしのぐ米があるかもしれないと考えたのです。公的機関の協力のもと、交配によって1年目には800系統におよぶ兄弟米を得て、2年目は、そのなかから優れた米100系統を選んで栽培し、さらに3年目はより優れた米を選びぬく…という選抜固定の栽培を繰り返し、ようやく8年目の2003年、山田錦にも劣らない品質の米を選ぶことができました。この品種は『白鶴酒造が育て上げた期待の米である』という意味を込め『白鶴錦(はくつるにしき)』という名前を付け、2004年4月に農林水産省へ品種登録の出願を行いました」

 酒名「愛宕の松」の由来は、蔵のある大崎市に、愛宕山公園と愛宕神社があることによる、とみられる。

酒蛙

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