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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3934】黒牛 純米吟醸 生原酒 雄町100%(くろうし)【和歌山県】

2019.8.26 16:41
和歌山県海南市 名手酒造店
和歌山県海南市 名手酒造店

【Z料理店にて 全4回の④完】

 夕方、近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないであろう酒を取り寄せてくれるので、その好意にこたえ月1回のペースで暖簾をくぐることにしている。店主はMLB、NPB、社会人野球、大学野球、高校野球に詳しく、わたくしは彼と野球の話をするのが好きだ。店主も、わたくしと野球の話をするのが好きなようで、いつも、店主の定位置の向かいのカウンター席を用意してくれる。ただ、ひいき球団は、店主はジャイアンツとホークス、わたくしはベイスターズ。全然違う。だから、しょっちゅう牽制球が飛び交う。

「寒菊 純米大吟醸 五百万石50 生酒」「出羽桜 純米大吟醸 雪女神 精米歩合四割八分 瓶火入」「旭鳳 純米大吟醸 八反錦50」と飲み進め、最後4番目にいただいたのは「黒牛 純米吟醸 生原酒 雄町100%」だった。「黒牛」は今回の酒を含め、当連載で5種類を取り上げている。今回の酒はどうか。いただいてみる。

 まず、旨みが来る。これが第一印象。この旨みは、酸と辛みと苦みを伴う。含み香は、木香にエステル香がすこし混じる。余韻は辛み。けっこうしっかりとした味わい。飲み進めて行くと、最初すくなかった酸が、次第に顔を出すようになってくる。そして、さらにボディー感のある飲み口に感じられるようになる。

 瓶のラベルの表示は「製造年月2019.5、アルコール分18.0%、日本酒度+4.0、酸度1.4、アミノ酸度0.8、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 雄町、精米歩合50%」。

 表ラベルには、以下のように酒名「黒牛」の由来を説明している。

「酒名は万葉集で詠まれた黒い牛の形をした岩が蔵の近くにあったことに因んでいます。また、漆器の街、黒江の町名由来でもあり、蔵所在の町内会名として残っています」

「黒牛 純米」(当連載【3762】)では、以下のようにもっと詳しく由来を説明している。

「約1300年前の万葉の昔、蔵の周辺は美しい入り江で黒い牛の形をした岩が波に洗われていたそうです。黒牛潟として万葉集にも詠まれていました。【黒牛潟 潮干の浦を 紅の 玉裳裾引き 行くは 誰が妻(詠み人知らず 万葉集巻九)】 その後海は干上がり、『黒牛』を名の由来とする黒江の町となり室町時代から、ぬりものの町として栄えることとなります。万葉の昔を偲べる味わいをめざし、地名の由来でもあることから酒銘としたものです」

酒蛙

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