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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3930】飛騨三蔵 ブレンディング 純米吟醸 奥飛騨×深山菊×蓬莱(ひださんくら)【岐阜県】

2019.8.23 22:33
岐阜県飛騨市 渡辺酒造店
岐阜県飛騨市 渡辺酒造店

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、店主がおすすめのお酒を持ってきた。今回は「飛騨三蔵 ブレンディング 純米吟醸 奥飛騨×深山菊×蓬莱」だった。インバウンド対策として、飛騨三蔵の酒をブレンドした新商品を開発したのだそうだ。さて、いただいてみる。

 上立ち香は、吟醸香がほのかだが、含み香はメロンとマスカットが一緒になったような果実香が華やかで、フルーティー。甘旨酸っぱい味わい。味の中でも甘みと酸、中でも甘みが立つ。余韻は辛みに苦みが混じる。とろみがあり、やや濃醇で、しっかりとした味わいだが、キレが良い。ざっくり言うと、清酒業界のトレンド的な味わいだった。外国人観光客が、このような酒質を好みとは知らなかった。

 瓶の裏ラベルは、ブレンドの趣旨について、以下のように説明している。

「『下呂市、高山市、飛騨市がひとつになって飛騨地域のインバウンドを盛り上げよう!』と飛騨を代表する3つの酒蔵が意気投合。訪日外国人を集めて新酒を持ち寄り、ブレンド比率を変えてテイスティングしてもらう試飲会を実施。このアンケートを元にさらに研究を重ね、“外国人の価値観”にマッチする絶妙なブレンド比率を発見! 3つの酒蔵の新酒がひとつになり『飛騨を訪れる外国人に人気の日本酒アサンブラージュ』が誕生しました」

 また、「日本初! 飛騨の三蔵によるブレンド酒!!」と題したちらしは、この酒を以下のように説明している。

「下呂市、高山市、飛騨市がひとつになって飛騨地域のインバウンドを盛り上げよう!」と飛騨を代表する3つの酒蔵が意気投合。訪日外国人を集めて新酒を持ち寄り、ブレンド比率を変えてテイスティングしてもらう試飲会を実施。このアンケートを元にさらに研究を重ね、“外国人の価値観”にマッチする絶妙なブレンド比率を発見! 3つの酒蔵の新酒がひとつになり『飛騨を訪れる外国人に人気の名物地酒』が誕生しました。
 お酒を深くご存知の方になればなる程、どれだけリスクの大きい企画なのかお分かり頂けるかと思います。しかし、それをきちんとまとめて来られる辺りがいずれも金賞常連蔵の技術力。お米はひだほまれ。精米歩合は60%。酵母は岐阜県清流酵母。ここまでは全く同じです。違うのはそれぞれの蔵で造られますので、水、麹、人、蔵、気候。これらの違いが、ブレンドすることにより、味わいにどう影響するのか。最適なブレンド比率は?
 私なりのびっくり仰天した大発見はあるのですが、敢えて割愛させて頂きます。やっぱり、先入観を持たずにみなさまに楽しんで頂きたいので。それでは是非飲んでみて下さい! 渡邉久憲」

 今回飲んだ酒は、蓬莱蔵(渡辺酒造店)が詰めたものだった。気になるのは、ブレンドの比率だ。ラベルやちらしでは、上手く逃げているが、やっぱりブレンド比率が気になる。三蔵それぞれで詰めているとおもうが、それぞれ比率は同じなのだろうか? 気になってしょうがない。

 瓶の裏ラベルの表示は「アルコール分16%、原料米 ひだほまれ100%使用、原材料名 米(岐阜県産)米こうじ(岐阜県産米)、精米歩合60%、酵母 岐阜清流酵母、瓶燗急冷・冷蔵貯蔵、製造年月2019.6」。「ひだほまれ」は岐阜県高冷地農業試験場が1972年、母(「ひだみのり」と「フクノハナ」の子)と父「フクニシキ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1981年に命名、1982年に種苗法登録された品種。

酒蛙

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