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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3915】残草蓬莱  手造り純米(ざるそうほうらい)【神奈川県】

2019.8.15 16:27
神奈川県愛甲郡愛川町 大矢孝酒造
神奈川県愛甲郡愛川町 大矢孝酒造

 父の日になれば、二男からカップ酒の詰め合わせが送られてくる。かれこれ数年になり、総種類数は相当な数に上っているが、どれ一つとして同じものがない。おそらく、ちゃんとチェックして発送しているのだろう。わたくしは、この父の日プレゼントを楽しみにしている。

 今回も8種類セット。その中からまず、「残草蓬莱  手造り純米」を晩酌酒としていただく。カップ酒のラベルには特定名称の区分が書かれていない。しかし、原料構成を見ると、純米仕込みであることが分かる。カップ酒を販売している東京・中野の酒販店「味ノマチダヤ」のサイトによると、このカップは「手作り純米」とのこと。

 この蔵の酒はこれまで当連載で、「昇龍蓬莱」を8種類、「残草蓬莱」を2種類取り上げている。酸とセメダイン香(酢酸エチル香)が立つ酒というイメージを持っている。さて、今回の酒はどうか。いただいてみる。まずは半分を冷酒で。

 酸が立つ。含み香がコルク香似で、ドライ感をおもわせる。これまで「残草蓬莱」に抱いていた酸よりは大人しめだが、それでも酸はやや太めでくっきりしている。このため、あまり飲み飽きしないタイプ。この酸は甘みを伴う。余韻は辛みとすこしの渋み、苦み。辛みは鋭利な辛さではなく、鈍い辛み。昔の酒をおもわせる香味が意外に強い。

 次に残り半分を上燗(45℃)にしていただいてみる。上立ち香は、昔の酒をおもわせる香りがむんむん。冷酒のとき、この香りは含み香だけだったが、燗にすると上立ち香もこの香りが立つ。と同時に、上立ち香でアルコールを感じるようになる。燗にすれば酸が立つのだろうか、と予想していたが、案外立って来ず、酸は丸い感じ。冷酒のときより味がふくらむ。それにしても、クラシカル香味がかなり強く感じる。

 カップのラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合75%、アルコール分14度、製造年月19.5」。

 酒名の「残草」が不思議だ。これについて多くのサイトは「商品名の『残草(ざるそう)』とは地名で、蔵が『小字残草(こあざざるそう)』という土地にあった事に由来しているそうです」と説明している。

酒蛙

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