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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3910】七本鎗 生酛純米 生酒(しちほんやり)【滋賀県】

2019.8.13 22:15
滋賀県長浜市 冨田酒造
滋賀県長浜市 冨田酒造

【日本酒研究会月例会 全6回の③】

 異業種間の日本酒研究会。単なる飲み会だが、ちょっと気どって研究会だ。足掛け13年目に突入した超長寿飲み会。毎月開いてきたが、この間、一度も休まず飲んできた。みなさん、なんと研究熱心なことか。今回は異動で着任した新メンバー1人を加えた6人での月例会となった。

 店主が「萬歳北一 純米 醇」「クラシック仙禽 無垢 2019 生酛」に続いて3番目に持ってきたのは「七本鎗 生酛純米 生酒」だった。「七本鎗」は、今回の酒を含め、当連載で8種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 Y 「まったりとした酸味」
 M 「香りは強くない」
 Y 「美味しい」
 酒蛙「酸がくる。酸がかなり強い。生酛由来の酸だ。この酸が旨みを伴う。素朴ながら、かなりしっかり深みのある味わいの酒だ。ボリューム感が非常にある」
 M 「飲みやすい」
 K 「これはこれで美味しい」
 酒蛙「おっしゃる通り。セメダイン香(酢酸エチルの芳香)がすこし感じられる。それにナシ香も感じる」
 K 「ナシ香、あります、あります」

 瓶の裏ラベルは、生酛造りを復活させたことを以下のように説明している。

「天然の乳酸菌の働きを利用し、酛すりという作業を行う伝統的な製法『生酛造り』。より蔵の個性の出るその製法は明治時代まで主流でしたが、今ではごく一部でしか行われないようになりました。冨田酒造においてもいつまで生酛造りをしていたか詳しい資料は残っておらず、かなり長い間途切れていたと思われます。
伝統製法による当蔵らしい味わいを求め、平成30年より生酛造りを復活させました。独特の味幅やコクを持ちながらもどこか凛とした新たな味わいの七本鎗です」

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、酒米 滋賀県産玉栄100%使用、精米歩合60%、アルコール分16度、製造年月2019年5月」。

「玉栄」は愛知県農業試験場が1954年、母「山栄」と父「白菊」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、1965年に命名された酒造好適米。現在は滋賀県を中心に栽培されている。

 酒名「七本鎗」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「『本能寺の変』の翌年 天正11(1583)年、信長の跡目をめぐって羽柴(豊臣)秀吉と柴田勝家が戦った『賎ケ岳の戦い』で勇猛果敢な働きによって秀吉に天下人へ道を開くきっかけを開いた七人の若武者、加藤清正・福島正則・片桐且元・加藤嘉明・脇坂安治・平野長泰・糟谷武則を称えて『賎ケ岳の七本槍』と呼ぶ」

 また「七人の若武者」については、「七本鎗」を飲むたび思い出そうとするが、いつも加藤清正、福島正則、片桐且元で終わってしまい、どうしても覚えられない。いつも3人までで頓挫する。4人目からはいつも思い出せない。歳か?アルコール性健忘症か?

 ラベルの字は、この蔵に縁があり逗留した北大路魯山人の手による篆刻を使用。

酒蛙

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