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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3907】笑四季 MONSOON 吟吹雪 生(えみしき もんすーん)【滋賀県】

2019.8.10 14:42
滋賀県甲賀市 笑四季酒造
滋賀県甲賀市 笑四季酒造

【TU会例会 全6回の⑥完】

 2カ月に1回のペースで、M居酒屋で開いている異業種間飲み会「TU会」。今回は8人が参加、にぎやかに飲み、にぎやかに酒を論評し合った。

「鍋島 純米吟醸 山田錦 生酒 パープルラベル」「北雪 純米吟醸 山田錦」「而今 純米吟醸 八反錦 火入」「一白水成 純米吟醸 愛山」「たかちよ 純米大吟醸 Summer Blue 無調整 夏 生原酒」と飲み進め、最後6番目にいただいたのは「笑四季 MONSOON 吟吹雪 生」だった。

 笑四季酒造の酒は飲む機会が非常に多く、今回の酒を含め、当連載で27種類も取り上げている。たぶん、当連載で最も多く登場している銘柄の一つだとおもう。その中でも、濃醇芳醇の貴醸酒「モンスーンシリーズ」が笑四季酒造の顔になっているとおもう。このシリーズは、それほど飲み手にインパクトを与えた。当連載では、モンスーンシリーズを8種類取り上げている。今回、実に久しぶりにモンスーンシリーズを飲む。さて、いただいてみる。

 みんな「甘い!」
 U 「ラベルのこの顔から、この味は、想像できない」
 酒蛙「バナナ味が華やかだ」
 SA「香りも味もバナナだ」
 W 「完熟バナナだ」
 TU「セメダイン香(ベンゼン環芳香族系の芳香)が立つ」
 酒蛙「うん、セメダイン香とバナナ香は似ている。濃厚で、とろみがある。ふくらみ・厚みはただごとではない。味わいは甘み中心で旨みと酸が脇役。食後酒として、ちびちび飲みたいお酒だ」
 KI「たしかに甘い!」

 瓶の裏ラベルの表示は「原料米 滋賀県産吟吹雪100%使用、精米歩合50%、竹島充修責任醸造、アルコール分17度、原材料名 米・米こうじ(いずれも国産)、製造時期(瓶詰)2019年2月11日」。

 使用米の「吟吹雪」は、滋賀県農業試験場が1984年、母「山田錦」と父「玉栄」を交配、育成と選抜を繰り返し開発。1999年に品種登録された酒造好適米だ。

 ところで、貴醸酒とは、どんな酒か。ウィキペディアの記述を以下に要約する。

    ◇

 貴醸酒は、国立醸造試験所が、国賓の晩餐会にフランス産のワインやシャンパンが使われるのを見て、「このような場面に合う高級な日本酒として、酒で仕込んだ酒を作る」というコンセプトのもと開発したものであるが、結果的には平安時代の古文書「延喜式」(927年)に記されている宮内省造酒司による古代酒の製法「しおり」と近いものとなっている。

 通常の日本酒は、米100に対して水130を使って造るが、それに対して貴醸酒は米100に対して水70と酒60を仕込み水のように使って造る。仕込み酒は、三段仕込みの最終段階である留(とめ)において、仕込み水の代わりに使われる製法が多いが、初めから終わりまですべての仕込み水の代わりに酒を用いるという、いわばより贅沢な製法も研究されている。

 多くの貴醸酒が純米酒としての造りで、また長期熟成酒、生酒などのバリエーションがあるが、酒を酒で仕込むだけあって味も極めてこく、濃醇な甘みと適度な酸味やすっきりとした後味を持ち、食前酒や食後酒向きの奥行きの深い味わいを有している。

    ◇

 ラベルのユニークな女性画は、東 學(あずま・がく)さんによるもの。自身の公式サイトでは、以下のように自己紹介している。「京都生まれ、墨絵師。日本の演劇・舞台シーンにおいて数多なるポスターデザインを手がけてきた異端的アートディレクター。雪駄に作務衣という独特の風貌で大阪ミナミに棲息。『平成の浮世絵師』と呼ばれる」

 酒名・蔵名の「笑四季」の由来について、コトバンクは「酒名は、四季を通じて楽しく酒を飲みながら暮らしたいとの思いを込めて命名」と説明している。

酒蛙

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