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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3899】栄光冨士 火輪 辛口純米(えいこうふじ かりん)【山形県】

2019.8.5 17:38
山形県鶴岡市 冨士酒造
山形県鶴岡市 冨士酒造

【B居酒屋にて 全4回の②】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが1~2種類ある程度だ。このため常日ごろ、飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

 まずいただいたのは「ささまさむね 純米吟醸」。そして、2番目に飲んだのは「栄光冨士 火輪 辛口純米」だった。「栄光冨士」は、今回の酒を含め、当連載でこれまで10種類を取り上げている。総じて、濃厚で甘酸っぱい酒、中でも甘みが立つ酒という印象を持っている。

 濃醇で甘いはずの「栄光冨士」が辛口酒を造った、という。興味津々でいただいてみる。

 まず旨みが来て、「栄光冨士」にしては、さらりすっきりとした軽快な飲み口。余韻は辛みと苦み。苦みがけっこう強い。飲んでいると、次第に酸が出て来る。甘みはすくなく、ドライ感がややある。軽快で厚みはあまりなく、「栄光冨士」らしくない。というか、従来の「栄光冨士」と真逆の酒質だ。誤解を恐れずに言うならば、どことなく造り慣れない辛口酒に感じた。従来の「栄光冨士」ファンにとっては、びっくり酒だ。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「夏の限定酒『辛口純米酒 火輪(かりん)』! 『火輪』とは『太陽』の別称で、暑い日射しを感じる季節に軽快で飲みやすい、日本酒度+7の辛口の食中酒として醸されました」。たしかに食中酒に最適なお酒だと思った。

 裏ラベルの表示は、以下の通り。「酒質 純米酒、商品名称 火輪2018、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用酒米 出羽燦々100%、精米歩合80%、酒米産地 山形県、使用酵母 山形酵母、日本酒度 +7.0、酸度 1.2、アミノ酸度 0.9、アルコール分15.6度、製造年月2018年7月」

「出羽燦々」は山形県立農業試験場庄内支場が1985年、母「美山錦」と父「華吹雪」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1997年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 この蔵は、戦国武将・加藤清正ゆかりで知られる。蔵のホームページは、このことについて、以下のように記している。

「冨士酒造は戦国武将・加藤清正公をゆかりとしております。加藤清正公の嫡男・加藤忠廣公は11歳で家督を継いだのですが、改易の沙汰があり、お預けとなった現在の山形県、出羽ノ国・庄内の地で一男・熊太郎、一女・妙延を授かり、この加藤妙延を開祖としております」

酒蛙

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