メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3878】紀土 純米吟醸 春ノ薫風 生酒(きっど)【和歌山県】

2019.7.26 18:03
和歌山県海南市 平和酒造
和歌山県海南市 平和酒造

【B居酒屋にて 全4回の③】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが1~2種類ある程度だ。このため、常に飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「武州藤の花 手づくり純米 特撰」「澤屋まつもと 生 守破離 山田錦 うすにごり」と飲み進め、3番目にいただいたのは「紀土 純米吟醸 春ノ薫風 生酒」だった。「紀土」は飲む機会が多い酒で、今回の酒を含め、当連載でこれまで12種類を取り上げている。セメダイン香(ベンゼン環芳香族系芳香、酢酸エチル香)が立つ、やんちゃな酒というイメージを持っている。今回の酒はどうか。さて、いただいてみる。

 やわらか、ふくよか。やや濃醇だが軽快感もあり、甘旨みが広がる。甘みは飴を煮詰めたようなイメージ。そして、続いて酸と苦みが来る。エンディングは苦み。香りほのか、「紀土」としては穏やかな飲み口に驚く。しかもセメダイン香がない! 「紀土」はセメダイン香が立つイメージだったが、この酒は、従来からのわたくしのイメージを変えるお酒だった。

 瓶の裏ラベルはこの酒を以下のように紹介している。

「蔵は山地の多い和歌山でも山の麓の盆地に位置します。朝夕の冷え込みが厳しく、また木や山、大地に磨かれた地下水が豊富な酒造に適した場所です。口当たりの柔らかさ、口に入ったときの香りが特徴です。春らしい甘みとほんのりとした渋み、キレイな余韻をお楽しみ下さい。紀州の風土を感じていただければ幸いです」

 また、蔵のホームページはこの酒を「お花見にいかがでしょうか」と紹介している。

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合 麹米50% 掛米50%、アルコール度数15度、製造年月 31.3」にとどまり、使用米の品種が非開示なのは残念だ。

 酒名「紀土」の由来について、コトバンクは「酒名は『紀州の風土』と英語『kid(子ども、若者)』をかけ合わせて命名」と説明している。

酒蛙

関連記事 一覧へ