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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3873】花邑 純米吟醸 酒未来 瓶火入れ一回(はなむら)【秋田県】

2019.7.23 12:01
秋田県湯沢市 両関酒造
秋田県湯沢市 両関酒造

【日本酒研究会月例会 全7回の⑤】

 異業種間の日本酒研究会。単なる飲み会だが、ちょっと気どって研究会だ。足掛け13年目に突入した超長寿飲み会。M居酒屋で毎月開いてきたが、この間、一度も休まず飲んできた。みなさん、なんと研究熱心なことか。今回は6人での月例会となった。

「玉の雫 純米」「文華 純米吟醸 壺中の天」「田酒 特別純米」「獺祭 純米大吟醸 45」と飲み進め、5番目にいただいたのは「花邑 純米吟醸 酒未来 瓶火入れ一回」だった。

 このお酒は両関酒造のお酒である。「両関」といえば、大衆居酒屋さんのお酒というイメージがあるが、この「花邑」でまったく違う“顔”を見せている。

 M居酒屋の店主によると、「この『花邑』は、あの『十四代』の蔵元さんが、異例の技術指導をして立ち上げた新しいブランドです」とのこと。「十四代」の高木酒造が個別に指導した、ということで全国的知名度が一気に高まった。

 両関酒造のお酒は、当連載では「花邑」を2種類、「翠玉」を3種類、「両関」を1種類取り上げている。「花邑」と「翠玉」は、これまでの「両関」のお酒のタッチと全然違い、トレンド感いっぱいの味わい。甘旨酸っぱい芳醇な旨口酒というイメージだ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「あっ! 旨いっ!」
 H 「さすがだ!」
 S 「フルーティー」
 Y 「フルーティーなだけじゃない。これは旨い」
 S 「酸はそれほど出てこない。これ、旨いよ」
 酒蛙「華やかで、ふくよか。旨みたっぷり。酸も適度に出ている。けっこう甘口で濃醇だが、ダレずに品を保っているのは、酸があるなど、全体のバランスが良いからだろう。さすが、の造りだ」
 M 「いやあ旨いなあ」
 酒蛙「甘旨酸っぱい。果実香が華やかだ。極めてフルーティー&ジューシー。やさしい味わいだ。キレも良い」
 Y 「ナシ系の香りかな」
 M 「ナシ系かもしれない」
 K 「果実香が、いろいろ入っていますよ」
 M 「ワイン好きにも受け入れられるお酒だ」
 酒蛙「この果実香は、ブドウの香りだ!」
 Y 「そうだ、ブドウだ!」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「純米吟醸 花邑(はなむら)は、風味を損なわないよう、搾って間もないお酒を1本ずつ丁寧に手詰めをし、瓶火入れを行いました。適度に冷やして、上立つ吟醸香をお楽しみください」

 裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合50%、アルコール分15度、原料米 酒未来100%使用、製造年月19.05」。

 使用米の「酒未来」についてウィキペディアは、「1999年、民間機関開発。高木酒造の高木辰五郎が山酒4号/美山錦を交配して育種。米雑穀卸業の株式会社アスクが商標登録の権利を有する」と説明している。

 また、地酒屋サンマートのサイトの中にある「お酒用語集」では、以下のように説明している。「『十四代』で知られる山形県の高木酒造の高木辰五郎社長が、『山酒4号』『美山錦』を交配して育種した酒造好適米。自社で交配、育成し、地元の山形県内で栽培した酒造好適米を用いた日本酒を醸造することにより、全国に山形の清酒をアピールする目的で誕生。酒造会社自ら酒米の交配、育種を手掛けた例は全国的でも珍しく、『龍の落とし子』と兄弟系統にある『酒未来』は、山田錦の交配種にあたり、品種改良によって山田錦の系統を受け継いだ醸造適正が非常に優れた酒造好適米です」

「十四代」の蔵から技術指導を受け、「十四代」の社長が開発したコメを使用する―。「十四代」のDNAが色濃く反映されたお酒だ。

 蔵名および主銘柄「両関」の由来について、コトバンクは、以下のように説明している。「清酒の酒名に多く使われる『正宗』は鎌倉の刀工・正宗に由来するが、これを作刀における東の大関に見立て、京の三条宗近を西の大関とし、東西の名匠にあやかり酒名を『両関』とした」。ちなみに、大関とは大相撲の番付の最高位のこと。当時は横綱が無く、大関が今の横綱的存在だった。

酒蛙

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