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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3858】豊盃 純米 にごり酒 生 亀の尾100%使用(ほうはい)【青森県】

2019.7.8 17:36
青森県弘前市 三浦酒造
青森県弘前市 三浦酒造

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、なぜかわたくし係になっている仲居さんが、店主おすすめのお酒を持ってきた。今回は「豊盃 純米 にごり酒 生 亀の尾100%使用」だった。「豊盃」は飲む機会が多く、当連載でこれまで24種類を取り上げている。ひとことで言うなら、芳醇な酒、というイメージだ。今回の酒はどうか。いただいてみる。

 甘旨酸っぱくて、ふくよかだが、シャープ感も併せ持つ。含み香に、わずかにバナナ香もしくはナシ香がある。厚みがあり骨太。それでいてキレが良く、すぱっとキレる。炭酸ガスの微発泡が舌先をチリチリ刺激する。味にメリハリがある。酸が果実的で、非常にジューシーなお酒だった。おいしかった。

 瓶のラベルの表示は「アルコール分16度、精米歩合70%、原材料名 米(国産)米麹(国産米)」。

 使用米の「亀の尾」は、明治時代に食用米の大エースで全国の作付面積ナンバーワンだった。今のコシヒカリのような存在だった。しかし、草丈が高く災害に弱いことから次第に作付けが減り、やがて消えた。「亀の尾」でつくった酒が旨い、という伝承があったことから、新潟県の久須美酒造や山形県の米鶴酒造が復刻、脚光を浴びた。「亀の尾」の復活劇は、当連載【43】の「清泉 純米大吟醸 亀の翁」で、詳しく紹介している。

 酒名は、使用米の品種「豊盃」にちなむ。「豊盃」は、青森県農業試験場が1967年、母「古城錦」(その母は五百万石)と父「レイメイ」を交配、1976年に命名された酒造好適米。現在は、契約栽培で、この三浦酒造しか使用していない。

酒蛙

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