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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3856】漕ぎ出せ大洋! 山廃仕込 純米吟醸(こぎだせたいよう)【青森県】

2019.7.6 16:59
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町 尾崎酒造
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町 尾崎酒造

【B居酒屋にて 全6回の⑤】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが1~2種類ある程度だ。このため、常に飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「貴 山廃純米 雄町 2015」「開運 無濾過生酒 純米 赤磐雄町」「くどき上手 亀仙人 純米大吟醸 亀の尾 生詰」「鳩正宗 純米吟醸 山田錦」と飲み進め、5番目にいただいたのは「漕ぎ出せ大洋! 山廃仕込 純米吟醸」だった。

 マンガチックなラベルに驚いたが、「安東水軍」の酒名を持つ尾崎酒造のお酒だった。わたくしは、プロ野球大洋ホエールズ(現・横浜ベイスターズ)時代からの大ファンなので、「大洋」の2文字に激しく反応し、冷蔵庫から取り出したのだった。

 なぜ「大洋」なのか。まずは瓶の裏ラベルの文章を以下の転載する。

「代替わりし、新体制でスタートした尾崎酒造。若い船長 尾崎大、参謀 大塚洋平は新たな船旅への熱い決意を胸に準備に取り掛かっていた。先代の時代より数々の冒険を経験してきた熟練のベテランたち。この航海より乗組員となる新メンバー。それぞれが様々な思いを胸にここへ集結。そしてついに新たな船出の時を迎える…!!」。2人の名の文字をとって「大洋」だったのだ。

 ラベルの文章だけだとイマイチ状況が分からないが、2018年8月30日付東奥日報は、以下の記事を掲載した。

「(青森県)西海岸唯一の蔵元で創業158年の歴史を持つ鯵ケ沢町の尾崎酒造。主力銘柄の『安東水軍』や俳優・森繁久弥さんが名付け親の『神の座』などで知られる同社をけん引するのは、若い2人だ。昨年5月に亡くなった先代の父の後を継ぐ尾崎大社長(30)と、同社の酒にほれ込んで移住した営業担当の参謀・大塚洋平さん(24)。『地元で愛されるおいしい酒を造り続けたい』という尾崎社長を大塚さんが支え、二人三脚で伝統を守る」

 さて、いただいてみる。甘旨酸っぱい。これが第一印象。中でも甘みと酸がよく出ており、甘みは飴を煮詰めたような味わい。多分山廃由来の酸はチャーミング。そして辛みが出ている。余韻は辛み。けっこう濃醇だ。そして力強い。まとまりが良い。これは旨い。

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合60%、アルコール分17度、製造年月31.4」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 主銘柄名「安東水軍」の由来について、蔵のホームページは「名前の由来は、12世紀後半~15世紀もの長年に渡り、貿易港『津軽十三の湊(とさのみなと)』の繁栄を築いた日本海の覇者『安東水軍』から来ています」と説明している。

酒蛙

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