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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3854】くどき上手 亀仙人 純米大吟醸 亀の尾 生詰(かめせんにん)【山形県】

2019.7.4 22:21
山形県鶴岡市 亀の井酒造
山形県鶴岡市 亀の井酒造

【B居酒屋にて 全6回の③】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが1~2種類ある程度だ。このため、常に飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「貴 山廃純米 雄町 2015」「開運 無濾過生酒 純米 赤磐雄町」と飲み進め、3番目にいただいたのは「くどき上手 亀仙人 純米大吟醸 亀の尾 生詰」だった。

「くどき上手」は飲む機会が多い酒で、これまで当連載で18種類を取り上げている。このうち「亀仙人」については「くどき上手 純米大吟醸 亀仙人 生詰」(当連載【1352】)を取り上げている。今回の酒は、以前の「亀仙人」と比べ、①ラベルが全く違っていること②スペックが微妙に違い、裏ラベルの「特徴」も違っていること-などから、同じ酒かもしれないが、今回の酒を当連載で取り上げることにした(当連載では基本的に、1種類1回の掲載、と自分にしばりをかけている)。さて、いただいてみる。

 甘い、非常に。これが第一印象。過熟した南国フルーツの香味で、フルーティー&ジューシー。甘み、旨み、酸味がよく出ており、中でも甘味が立ち、酸はなかなかチャーミング。まろやかな甘みは飴を煮詰めたような味わい。ひとつ間違えれば、くどくなるリスクがある中で、そう陥らないのは、酸の働きによるもの、とおもう。食前酒としてさっと、あるいは食後酒としてちびちび飲みたい酒だ。

 瓶の裏ラベルの表示は以下の通り。「原料米 亀の尾100%、精米歩合42%、使用酵母M310、日本酒度-5.0、酸度1.3、特徴 身勝手の極意から厄払い42%へ、アルコール分17度以上18度未満、原材料名 米・米こうじ、国産米100%使用」。「特徴」の「身勝手の極意から厄払い42%へ」の意味がさっぱり分からない。42%は精米歩合だろうが、「大厄」の42歳に掛けているのだろうか? 誰が42歳なんだ??? 自分たちだけしか分からない「楽屋落ち」はいけません! 知らない人は盛り下がります。

 使用米の「亀の尾」は、明治時代に食用米の大エースで全国の作付面積ナンバーワンだった。今のコシヒカリのような存在だった。しかし、草丈が高く災害に弱いことから次第に作付けが減り、やがて消えた。「亀の尾」でつくった酒が旨い、という伝承があったことから、新潟県の久須美酒造や山形県の米鶴酒造が復刻、脚光を浴びた。「亀の尾」の復活劇は、当連載【43】の「清泉 純米大吟醸 亀の翁」で、詳しく紹介している。

 酒名「くどき上手」の由来についてコトバンクは「酒名は、戦国時代、武力に頼らず誠意をもって相手を説き伏せて勢力を得た武将にちなんだもの」と説明している。その武将って誰???

酒蛙

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