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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3832】純米吟醸 FF 生原酒(フォルテッシモ)

2019.6.13 22:45
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町 尾崎酒造
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町 尾崎酒造

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、なぜかわたくし係になっている仲居さんが、店主おすすめのお酒を持ってきた。今回は「純米吟醸 FF 生原酒」だった。「な、何これ。見たことがない」と戸惑うわたくし。「青森県尾崎酒造さんのお酒です」と仲居さん。なるほど、そうか。「安東水軍」という酒名で知られた蔵のお酒だ。当連載では「神の座 吟醸」(当連載【1579】)1種類を取り上げている。「FF」については、予備知識まったく無しで、いただいてみる。

 甘旨酸っぱい。これが第一印象。中でも甘みがチャーミングに出ている。非常にジューシー&フルーティー。過熟南国果実のようなフルーティーさだ。まろやか、ふくよかで、やや厚みのある飲み口。ずばり、当世トレンド的な味わいそのもののお酒だった。酸がよく出ているので、メリハリのあるタッチで、飲み飽きしない。また、アルコール分が14度と低めに設定していることも飲みやすさの一要因だ。旧来からの尾崎酒造のオールドファンは大いに戸惑うかもしれないが、若い世代のワイン派には受け入れられるのかな、とおもった。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「弊社社長の処女酒としてリリースする本商品“FF”は本数限定の生原酒です。『初めての作品』(First) 『新たな飲み手層を開拓する』(Frontier) 2つの頭文字を取り、FFと名付けました」

 裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、アルコール分14度、製造年月30.10」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。せっかく熱いおもいでつくったこだわり酒なので、開示していただきたかった。

 この蔵の主銘柄「安東水軍」の由来について、コトバンクは「酒名は、中世の日本海の覇者・安東水軍にちなみ命名」と説明している。

酒蛙

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