メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3831】悦凱陣 信州美山錦 無ろ過生 山廃純米(よろこびがいじん)【香川県】

2019.6.12 16:56
香川県仲多度郡琴平町 丸尾本店
香川県仲多度郡琴平町 丸尾本店

【K居酒屋にて 全2回の②完】

 K、T、わたくしの3人による不定期飲み会は、かれこれ10年以上続いている。今回、これにわたくしの同僚Wが加わり、S居酒屋で飲んだ。9種類の酒を飲んでから、近くのK居酒屋に歩いて転戦した。このK居酒屋も10年以上のおつきあいだ。置いている酒がすべて、燗酒に向くものとのこと。その方針が気に入っている。

 まず選んだのが「宗玄 純米 雄町 無濾過生原酒」。続いていただいたのは「悦凱陣 信州美山錦 無ろ過生 山廃純米」だった。当連載では、今回の酒を含め、「悦凱陣」を15種類取り上げており、このうち半数の7種類が、このK居酒屋で飲んだものだ。K居酒屋は、「宗玄」の次に「悦凱陣」の品揃えが充実しているのだ。

「悦凱陣」といえば、濃醇で酸が強く、極めてパワフルな酒、というフルボディー酒をイメージする。燗に向いた、パンチのあるガツン酒というイメージを持っている。さて、今回の酒はどうか。酒米が「美山錦」とは珍しい。今回も燗酒でいただいてみる。温度は推定45℃前後。

「あっ、旨い! おおおっ、旨い!」。おもわず口から出る。味に厚みがあり、実に力強い。味は、甘・旨・酸・辛が良く出ており、余韻の辛みがいい。良く出ている味の中でも、酸がすごく良く出ている。とはいっても、これまで感じてきた野太くて押し出しの強い酸とは違う。上品感がある。味に厚みがあるといっても、これまでいただいてきた「悦凱陣」よりは、やや軽めのイメージだ。

 瓶の裏ラベルは、この蔵のコンセプトを以下のように紹介している。

「凱陣は、四国は讃岐の国こんぴらさんの東に在る蔵の手造り清酒です。当所は幕末時代天領で桂小五郎や高杉晋作が潜伏していたこともある蔵で、選び抜かれた国内の新米と讃岐の偉人空海ゆかりの満濃水系の伏流水を使い丹精込めて醸し上げた純米造りのお酒でございます」

 瓶のラベルの表示は以下の通り。「原料米 美山錦100%(長野県産)、原材料名 米(長野県産)米麹(長野県産米)、精米歩合70%、使用酵母 蔵付、仕込総米756kg、日本酒度+14、酸度2.6、アルコール分18.0度以上19.0度未満、アミノ酸度2.1、醪日数29日、製造年月31.03」。酒度、酸度、アルコール分、アミノ酸度…いずれも半端ない数字。酒度+14ほどには辛く感じない。おそらく、旨みがたっぷりあるからなのだろう。半端ないスペックだが、全体のバランスは良い。

「悦凱陣」の酒名の由来について、「『日本の名酒』自宅にいながら蔵元巡りの旅」というサイトは「"悦凱陣"の命名は、酒蔵のご子息が日露戦争に従軍し無事帰った事で、主人が喜んでこの勇ましい名前になったということです。酒名は日清・日露戦争の戦勝を祝ったことが由来との説もありました。現在は未確認ですので、正確な由来が分かりましたら掲載します」と説明している。

酒蛙

関連記事 一覧へ