メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3825】白鶴 純米生原酒 荒駒 特撰(はくつる あらこま)【兵庫県】

2019.6.6 22:56

【S居酒屋にて 全9回の⑤】

 飲み仲間のK、Tと久しぶりに飲む。これにわたくしの同僚Wが加わる。場所は、何回かお邪魔し、気に入っているS居酒屋。日本酒約200種類を常備しているので、とても勉強になる。フロアを仕切るSさんは博識で、分からないことを聞くと、即答してくれ、これまた勉強になる。

 Sさんが「花見ロ万 純米吟醸 低アルコール一回火入れ」「新政 涅槃龜 96%低精米酒 生酒」「天寶一 華風車 こいおまち 純米」「川鶴 特別純米 生原酒」に続いて5番目にもってきたのは「白鶴 純米生原酒 荒駒 特撰」だった。「白鶴」は言わずと知れた日本酒メーカー最大手だ。これまで何種類か白鶴ブランドを飲んでいるが、大手だけあって、造りが上手く、堅実さを感じている。さて、この酒はどうか。いただいてみる。

 T 「力強い」

 K 「これはいいね♪」

 T 「こりゃあいい」

 酒蛙「やや濃醇で旨みがたっぷりあり、辛みも。全体的に力強い」

 K 「荒波に立ち向かうマグロ。そんな力強さを感じる」

 酒蛙「なんという例えなんだ」(苦笑)

 T 「この辛さがいい」

 酒蛙「きれいな酒質だけど力強い。程よい厚みと辛み。酸は奥にいて、あまり前に出てこない」

 T 「今日の中では一番飲みやすい」

 K 「造りが上手だね」

 蔵のホームページは、この酒の味わいについて、以下のように説明している。

「味の変化・・・しぼりたての生酒であるため、初めはかすかに炭酸が感じられ、アルコール度数も高いため舌にピリピリするような刺激が感じられます。1か月ほど経つと炭酸が消え、濃厚でまろやかな原酒の味わいになります。複数本ご購入いただくと、熟成による味わいの変化もお楽しみいただけます」

 また、瓶のタグには「瓶詰日から約1ケ月間は、荒々しい、しぼりたての新酒の味わいがお楽しみいただけます。また、その後2ケ月間は、純米原酒の濃厚でまろやかな味わいをお楽しみいただけます。瓶詰日から約3ケ月以内に召し上がることをお勧めします」と書かれており、味にかなりのこだわりをみせている。

 わたくしたちが今回飲んだ酒は瓶詰め日が201942日。そして飲んだのは412日。瓶詰めから10日後に飲んだわけだ。しかし、荒々しいタッチには感じなかった。力強さは感じたが

 瓶のラベルの表示は「製造年月2019.4、瓶詰日2019.4.2、兵庫県産 白鶴錦100%使用、アルコール分17度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合70%」。

 使用米の「白鶴錦」を開発したのは、白鶴酒造だ。蔵のホームページは、「白鶴錦」を開発したいきさつについて、以下のように説明している。

「白鶴酒造は新しい試みに着手しました。『山田錦』の母にあたる『山田穂』と父にあたる『渡船』を約70年ぶりに交配させ、『山田錦』の兄弟品種を作る試みです。兄弟米の中には山田錦をしのぐ米があるかもしれないと考えたのです。公的機関の協力のもと、交配によって1年目には800系統におよぶ兄弟米を得て、2年目は、そのなかから優れた米100系統を選んで栽培し、さらに3年目はより優れた米を選びぬくという選抜固定の栽培を繰り返し、ようやく8年目の2003年、山田錦にも劣らない品質の米を選ぶことができました。この品種は『白鶴酒造が育て上げた期待の米である』という意味を込め『白鶴錦(はくつるにしき)』という名前を付け、20044月に農林水産省へ品種登録の出願を行いました」

 今回の酒の名は「荒駒」。これについて、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「荒駒シリーズとは……『白鶴 荒駒』シリーズは200411月に発売を開始しました。普段は提供できない特別な商品を造りたいという想いから、店舗受注後に醸造し活性炭濾過(※3)をしない生原酒を開発しました。近年は、春には自社開発酒米『白鶴錦』を使用した純米生原酒、秋には新米『五百万石』を使用した純米生原酒 新米新酒を発売しています。

(※3)活性炭濾過 出荷後の品質変化を防ぐため、多くの日本酒は活性炭を使って酒中の余分な色や雑味、臭いなどを吸着させ、取り除いています」

 蔵のホームページを見ると、「延享4年(1747) 酒銘『白鶴』命名」とある。コトバンクは「蔵元の『白鶴酒造』は菊正宗の嘉納家から分家し寛保3年(1743)創業。最大手の日本酒メーカー。酒名は、延享4年(1747)北蔵を増築し、酒造を本格的に始めたのを機に命名されたもの」と説明しているが、なぜ「白鶴」なのかは分からなかった。

酒蛙

関連記事 一覧へ