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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3821】花見ロ万 純米吟醸 低アルコール一回火入れ(はなみろまん)【福島県】

2019.6.1 21:02
福島県南会津郡南会津町 花泉酒造
福島県南会津郡南会津町 花泉酒造

【S居酒屋にて 全9回の①】

 飲み仲間のK、Tと久しぶりに飲む。これにわたくしの同僚Wが加わる。場所は、何回かお邪魔し、気に入っているS居酒屋。日本酒約200種類を常備しているので、とても勉強になる。フロアを仕切るSさんは博識で、分からないことを聞くと、即答してくれ、これまた勉強になる。

 さて、Sさんお奨めの「花見ロ万 純米吟醸 低アルコール一回火入れ」からいただく。いかにも春酒というラベルだ。花泉酒造のお酒は、今回のお酒を含め、これまで当連載で、「ロ万」を7種類、「花泉」を2種類取り上げている。「ロ万」は甘みの立つ、飲み応えのある濃醇酒というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 T 「これ、旨い」
 K 「すっきりしているが、けっこう余韻がある」
 酒蛙「すっきり・さわやか感がある。甘みと旨みが軽やか。酸も軽快。ジューシー感がある」
 W 「淡麗かな。ふわっと残る。楽しく飲める」
 K 「おいしい」
 酒蛙「吟醸香が適度。余韻は辛苦み。綺麗で、キレが非常に良い。あまり甘くない『ロ万』は初めてだ。こんな軽快な『ロ万』は初めてだ」
 K 「アルコール13度とラベルに書いてある」
 酒蛙「えっ??? 13度というと、日本酒としてはかなり低いアルコール。ワイン並みだ。べらぼうに飲みやすいのも道理。納得だ。みんなで花見をするとき、強い日本酒は合わないからね。これは着眼点が良いね」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「ふわりふわりと、花のごとく。
空いっぱいに花を咲かせた桜の樹の下で、仲間と輪になり、酒を酌み交わす。春にしか味わえない素敵な宴の席にぴったりな低アルコールの『花見ロ万』です。桜に見惚れて、酒にも惚れて。ふわりふわりと花のごとく、ほどける味わい、お楽しみ下さい」

 裏ラベルには「ロ万シリーズ 5つのこだわり」と題し、以下のこだわりを載せている。▽米 100%会津産米 ▽水 水源の森百選 名水「高清水」 ▽蔵人 地元南会津南郷地域の人 ▽酵母 福島県開発「うつくしま夢酵母」 ▽業 伝統の「もち米四段仕込み」

 裏ラべルの表示は「原材料名 米(会津産)米麹(会津産米)、精米歩合 麹米50% 掛米60%、アルコール分13度、使用米(使用割合) 麹米 五百万石(21%) 掛米 夢の香(72%)ヒメノモチ(7%)、製造年月31.3」。

「夢の香」(ゆめのかおり)は、福島県農業試験場が1991年、母「八反錦1号」と父「出羽燦々」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 ふつう、酒は三段仕込みで醸される。これは、蒸米・麹米・水を、3回に分けてタンクに投入する、という意味だ(1回目だけは酒母も入れる)。一度にまとめて投入すると、乳酸が薄まり、雑菌が繁殖する恐れがあるため、乳酸を増やしながら分けて投入する。

 この酒は、さらにコメ全体の7%にあたる「もち米」を4回目に投入しているのだ。4段仕込みはたまにみられ、「旭の出乃勢正宗」(長野県)なども行っている。その効果については、はっきりしたものはないが、濃醇・芳醇になり甘みがより出てくる、といわれている。

酒蛙

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