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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3809】津島屋 特別純米 播州産山田錦 木漏れ日 生酒(つしまや)【岐阜県】

2019.5.18 22:20
岐阜県美濃加茂市 御代桜醸造
岐阜県美濃加茂市 御代桜醸造

【Z料理店にて 全2回の②完】

 当連載の取材をするため、夕方からB居酒屋に出掛け、一人、カウンターで飲んでいた。4種類目の酒を飲んでいたとき、電話が掛かってきた。自宅近所の料理屋のオヤジだ。「暇だ。話し相手になってくれ」。奴とはいつも、野球談議が白熱する。しょうがないので、B居酒屋を4種類の酒で切り上げ、歩いてZ料理店に向かう。本当に客が一人もいなかった。

 まず選んだのは「墨廼江 特別純米 中汲み」。続いていただいたのは「津島屋 特別純米 播州産山田錦 木漏れ日 生酒」だった。御代桜醸造の酒は、今回を含め、当連載で「御代櫻」を7種類、「津島屋」を8種類取り上げている。

 このうちZ料理店では6種類もの「津島屋」を飲んでいる。店主は「津島屋」が好きなのだ。漠然とした「津島屋」のイメージは、吟醸香がけっこう華やかで、甘みの立つお酒だった。さて、今回の酒はどうか。いただいてみる。

 これまで「津島屋」に感じていたより吟醸香が抑え気味で、大人しい入り口。果実香がほんのり広がり、非常に好ましい。そして、旨みがたっぷり。さらに、酸がよく出ているのは特筆もの。実は、これまでの「津島屋」に、あまり酸を感じて来なかったのだ。味の主体は旨みと酸。甘みはいつもよりは感じない。余韻は辛苦。全体として、ふくよかで、穏やかで、やわらかな飲み口。けっこう良いではないか。もしかして、これまでわたくしが飲んできた「津島屋」の中で、一番かもしれない。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「当家創業時の屋号である『津島屋』は、日本酒の未来への挑戦と、御縁への感謝のこころの象徴として命名しました。フレッシュでふくよかな旨味と程良い酸の調和は、心地良い木漏れ日の如き情景に溢れます」

 裏ラベルの表示は「アルコール分17度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 山田錦100%、精米歩合55%、杜氏 酒向博昭、製造年月2019年2月」。

 酒名「津島屋」は、創業時の蔵の屋号。そして、蔵名「御代桜」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「銘柄の『御代櫻(みよざくら)』は、古来から日本人が愛してきた桜の花の五弁花を日本酒の『甘・辛・酸・苦・渋』の五味五感の調和の象徴として、また八重咲きの桜である十弁花を酒の十徳を表すものとして、酒造に携わる幸せを桜に託し、日本民族の未来永劫の弥栄を祈念して命名されました」

酒蛙

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