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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3807】賀茂金秀 愛山 純米吟醸(かもきんしゅう)【広島県】

2019.5.16 22:47
広島県東広島市 金光酒造
広島県東広島市 金光酒造

【B居酒屋にて 全3回の③完】

 ウイークデーの夕方。会社から帰宅後、ふらりとB居酒屋へ。この店は、冷蔵庫に入れている酒の種類数が多い。しかも、時々、入れ替えもしている。だから月に1回、暖簾をくぐることにしている。新しい酒を知ることができ勉強になるし、当連載の取材にもなる。

「超 王祿 純米 春季限定 ☆☆☆ 無濾過生原酒」「天狗舞 山廃純米 生原酒」と飲み進め、最後3番目にいただいたのは「賀茂金秀 愛山 純米吟醸」だった。

「賀茂金秀」を仲間内では「カモキン」と親しみを込めて呼んでいる。濃醇でしっかりした味わいの酒、というイメージを持っている。飲む機会がけっこう多く、当連載では今回の酒を含め、8種類を取り上げている。さて、これはどうか。

「うーっ!」。含んだ瞬間、驚きで声に出る。濃い。実に濃いのだ。若干、微妙にガス感がある。甘旨みと酸が味の中心で濃醇。飲んでいると、酸から苦みへと味わいが移行していく。ふくよかで分厚い濃醇酒。実に旨い。

 ラベルの表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合55%」。

 ラベルには「愛山」の系統図を載せているのが非常にユニーク。「愛山」の両祖父母からの系統をあらわしており、これにより「愛山」は、「雄町」と「山田錦」の血を色濃く受け継いでいるのが一目瞭然だ。

「愛山」は、兵庫県立明石農業改良実験所が1941年、母「愛船117」と父「山雄67」を交配。太平洋戦争を経て1949年に品種を固定した。母方の父は雄町系、父方は雄町と山田錦の子という、全身に山田錦と雄町の“血”がたっぷり入っている、酒米界のサラブレッド的出自を誇る。玄米が大粒で、山田錦と同等かそれ以上の、米粒の重さと、米糠割合の少なさのため、酒造効率が良く、酒造に非常に適している、という評価が高かった幻の品種。現在は、兵庫県のごく一部の生産者だけが栽培している。

 蔵のホームページによると、かつての主銘柄は「桜吹雪」だったが、2003年に季節雇用を廃止して社員蔵人による手造りを行い、新ブランド「賀茂金秀」を立ち上げた。

「賀茂金秀」の「賀茂」は、蔵のある場所が旧賀茂郡だったことによる。「金秀」について東広島市の酒販店「大和屋酒舗」のサイトによると、「杜氏の金光秀起(かねみつひでき、現代表)氏の名前から、『金』と『秀』 の2文字をとって命名されました」とのこと。

酒蛙

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