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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3800】繁桝 大吟醸 生々(しげます)【福岡県】

2019.5.8 23:35
福岡県八女市 高橋商店
福岡県八女市 高橋商店

【Z料理店にて 全4回の①】

 夕方、近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないであろう酒を取り寄せてくれるので、その好意にこたえ月1回のペースで暖簾をくぐることにしている。店主はMLB、NPB、社会人野球、大学野球、高校野球に詳しく、わたくしは彼と野球の話をするのが好きだ。店主も、わたくしと野球の話をするのが好きなようで、いつも、店主の定位置の向かいのカウンター席を用意してくれる。ただ、ひいき球団は、店主はジャイアンツとホークス、わたくしはベイスターズ。全然違う。だから、しょっちゅう牽制球が飛び交う。

 今回、トップバッターに選んだのは「繁桝 大吟醸 生々」だった。「繁桝」は飲む機会が多い酒で、今回の酒を含め、当連載で11種類を取り上げている。うちZ料理店で5種類を飲んでいる。つまり、Z料理店の店主が「繁桝」が好きなのだ。

 その店主は「『繁桝』は、料理の味を邪魔しないからいいんだ」と「繁桝」を置いている理由を話す。「繁桝」のわたくしのイメージは総じて、地味めでまったり落ち着き感のある酒質。たぶん店主が言っていることと、わたくしが言っていることは同じなんだとおもう。さて、今回の酒はどうか。いただいてみる。

 とろりとして、甘みと酸が来る。「繁桝DNA」の表現不能な複雑香味が感じられる。吟醸香がやさしく、ほのかに広がる。味わいは、甘旨中心で、中盤から余韻にかけては辛み。酸は目立たぬように奥にいる、という「繁桝」のパターンは今回も同じ。やわらか、ふくよか、穏やか、という「繁枡」の真骨頂を表現した酒だ。

 蔵のホームページは、この酒を以下のように紹介している。「醪(もろみ)を詰めた酒袋を積み重ね、圧力をかけて搾ったお酒です。『山田錦』特有の芳醇な味わい、マイルドな口あたりとフレッシュな香りです」

 瓶のラベルの表示は「アルコール分17度以上18度未満、原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール、精米歩合40%」。裏ラベルは「春季限定。爽やかなのどごしと搾りたての吟醸香をお楽しみ下さい」「原料米 山田錦100%、精米歩合40%」と表示している。

 酒名「繁桝」の由来は、10代目当主で蔵を会社組織に改組した高橋繁太郎の「繁」をとり、酒を量る「桝」と合わせて命名されたもの。

 なお、「生々」とは、「生詰」で「生貯蔵」という意味。つまり一度も火入れしていない酒で、「生酒」と同じ意味である。

酒蛙

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