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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3789】天穏 生酛 無濾過純米 一回火入 改良雄町70(てんおん)【島根県】

2019.4.27 22:12
島根県出雲市 板倉酒造
島根県出雲市 板倉酒造

【B会 全6回の③】

 それぞれ個別に飲んだことはあるが、4人が同席して飲んだことはない。あるとき、4人がパーティーで一緒になったとき、「いちど4人で飲もう」と意気投合した。そして開いたのが2年前。楽しい飲み会で、2カ月に1回開くことにし、最近は毎月飲んでいる。

「喜量能」「月山 月雪 純米吟醸 冬ひや酒」と飲み進め、3番目に選んだのは「天穏 生酛 無濾過純米 一回火入 改良雄町70」だった。「天穏」は、今回の酒を含め、当連載で4種類を取り上げている。さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 酒蛙「さらりとしている」
 H 「淡麗ですね」
 F 「すごくやさしい」
 Y 「引っ掛かるところが全く無い」
 酒蛙「酸が良く出ていて、いいね」
 H 「そうですね」
 F 「これ、旨いっすよ。おつまみ要らない。純粋にお酒だけを楽しみたい」
 酒蛙「旨みと酸が良く出ている。温度がすこし上がると、乳酸系の味わいになってきた。やさしく、ふくよか。余韻は苦み」

 瓶の裏ラベルは、蔵のスローガン「滋味深く 心に余韻を届けたい」を載せている。

 裏ラベルの表示は「平成29年度醸造、製造年月18.11月、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分15度以上16度未満、原料米 奥出雲産改良雄町100%、精米歩合70%、日本酒度+7、酵母 無添加、出雲杜氏 小島達也、無濾過蔵内瓶貯蔵」。

 以上から、このお酒は2017年7月から2018年6月までの間に醸され無濾過のまま瓶に詰めて貯蔵、2018年11月に出荷態勢が整った酒であることが推測される。

 蔵のホームページは、生酛造りについて、以下のように説明している。「『生酛造り』とは天然の乳酸菌による乳酸発酵により、酸性状態となった酒母の中から醗酵力のある酵母を育む伝統的な製法であり、五味の調和した奥深く柔らかい味わいが特徴です」。ホームページに掲載されている味のチャートでは「味が濃い」とのこと。

 使用米の「改良雄町」について、同じ島根県の出雲富士蔵のブログが説明しているので、以下の転載する。

「昭和35年(1960年)に島根県農業試験場で品種改良され育成された酒造好適米です。比婆雄町と近畿33号を交配して改良されました。雄町は素晴らしいお米ですが、丈が長く倒伏しやく、山陰地方の気候では栽培するのが非常に難しい酒米でもあります。しかし、雄町の底力に魅せられた島根県の酒造技術者の先輩たちや農家の先人たちが、島根県の気候下でも島根県の農家の皆さんに喜んで栽培してもらえる雄町に改良し、皆さんに愛される雄町の地酒を仕込みたいという熱い想いで品種改良の研究をしてくださったのではないかと受け止めています」

 酒名「天穏」について、コトバンクは、「日蓮宗の経文『無窮天穏』にちなみ命名」と説明。蔵のホームページは「天穏の酒名は当家の宗門である日蓮宗本山要法寺管主だった当塩冶出身の坂本御前により大正五年に命名されました」と説明している。

酒蛙

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