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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3787】喜量能(きりょうよし)【滋賀県】

2019.4.25 17:15
滋賀県東近江市 畑酒造
滋賀県東近江市 畑酒造

【B会 全6回の①】

 それぞれ個別に飲んだことはあるが、4人が同席して飲んだことはない。あるとき、4人がパーティーで一緒になったとき、「いちど4人で飲もう」と意気投合した。そして開いたのが2年前。楽しい飲み会で、2カ月に1回開くことにし、最近は毎月飲んでいる。

 トップバッターに選んだのは「喜量能」だった。見たことがない酒名だったから選んだのだが、あとで調べてみたら、「大治郎」の蔵のお酒だった。「大治郎」は当連載で、これまで2種類を取り上げている。特定名称の表示が無いので、純米なのか本醸造なのか普通酒なのか分からないが、とりあえず飲んでみることにする。

 H 「セメダイン香(ベンゼン環芳香族の芳香)がする」
 F 「いいんじゃないすか、これ。すっきり、辛口」
 酒蛙「俺の好きなセメダイン香。すっきりとした飲み口」
 F 「きれいなお酒です」
 H 「辛口酒だけど、まろやかさもある」
 F 「おいしい」
 酒蛙「旨味みがあり、すっきりとした飲み口。酸もあり、さっぱりしている」
 F 「しゃっきりした酒だ。おつまみ要らないよ」
 酒蛙「余韻は辛み。淡麗でシャープ感がある」
 F 「口の中が変にならないよ」
 酒蛙「淡麗だけど、力がある。辛みが適度、淡麗辛口」
 H 「余韻がいい」
 Y 「あとにひかないっす」
 H 「ちょっとした苦みがいい。舌に残り、消えるまでの間がいい」
 酒蛙「これが普通酒とは信じられない」
 F 「同感」
 酒蛙「あ、ラベルの原料構成に醸造アルコールが入っていないので、純米造りの普通酒だね」

 瓶のラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米は全て滋賀県産米使用、製造年月30.2、蔵出年月30.11」。

 ラベルによると、原材料は「米(国産)米こうじ(国産米)」。普通酒や本醸造であれば、これに「醸造アルコール」が加わる。それが無い、ということは、この酒は純米づくりということになる。それなのに純米酒を名乗らないということは①「村祐」などみたいに、消費者には分かりようがないナニガシカの理由がある②規格外米を使用すると、純米造りでも普通酒扱いになる-の2つの理由がある。ネット情報によると、「喜量能」は後者の理由。つまり、規格外米を使用しているため、純米づくりの普通酒ということになる。

 しかし、これは実は大切なことなのだ。田んぼから生産されるコメは、全量が一等米、二等米なわけがない。必ず、検査でふるい落とされる規格外米(等外米ともいう)が生まれる。これらは、米菓などさまざまな行き先があるが、酒造好適米が不足している中、規格外米を酒造に向けるのは、大切なことなのだ。そもそも一等米とほとんど違わないのだから。

 この蔵の主銘柄は、もともとは「喜量能」という地元銘柄が知られていた。しかし、近年は「大治郎」がヒットしたため、全国的には「大治郎」の知名度の方が、圧倒的に高い。

酒蛙

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