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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3715】富久福 純米 michiko90 無濾過原酒 火入れ(ふくふく)【茨城県】

2019.2.6 16:54
茨城県結城市 結城酒造
茨城県結城市 結城酒造

【B居酒屋にて 全5回の②】

 ウイークデーの夕方。会社から帰宅後、ふらりとB居酒屋へ。この店は、冷蔵庫に入れている酒の種類数が多い。しかも、時々、入れ替えもしている。だから月に1回、暖簾をくぐることにしている。新しい酒を知ることができ勉強になるし、当連載の取材にもなる。

 最初にいただいたのは「東力士 熟露枯 山廃 純米 洞窟貯蔵冷温熟成酒 原酒」。次に選択したのは、「富久福 純米 michiko90 無濾過原酒 火入れ」だった。結城酒造の酒は今回の酒を含め、当連載でこれまで、「富久福」3種類、「結」1種類を飲んでいる。今回の酒と特に近いのが「富久福 純米 michiko90 無濾過生原酒」(当連載【2968】)。生か火入れか、の違いだ。さて、今回の酒をいただいてみる。

 甘旨酸っぱくて、フルーティー&ジューシー。いかにもトレンド的な香味。これが第一印象だった。甘・旨・酸とも、非常に良く出ている。いずれの味も前に出てくる。バナナのような香りが鋭い。いや、バナナとナシのミックスのような、あるいはバナナと柑橘系のミックスのような、かなり特徴的な香味。これが、精米歩合90%の酒とはにわかには信じられない、粗さが全く無い酒質で、驚くほど完成度が高い酒。これはすごい。しかも、全く飲み飽きしない酒で、いくらでも飲めそうな魔性の酒だ。この蔵は、タダナラヌ実力の持ち主か。

 瓶の裏ラベルはこの酒を以下のように紹介している。

「兵庫県産山田錦(特等米)をほとんど磨かずに醸しました。(精米歩合90%)ロックからお燗まで幅広い温度帯でお楽しみくださいませ。しっかりとした味わい、そして米本来の旨味を感じていただけますと幸いです。酵素力の高い麹を使用しております。無濾過での出荷のため、酵素や澱などが沈殿する場合がございますが品質には問題ありません」

 この香味で精米歩合が90%とは! コメの外側を10%削り、内側の90%を生かして醸した酒。衝撃だ。ごはん用のコメの精米歩合は約92%と言われている。原料米の高騰に伴い近年、低精白米による酒造りがよく行われているが、80%が主流。90%とは驚きだ。飲んでいて90%精白とは全然感じなかった。

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料:米 米こうじ(全量兵庫県産山田錦)、アルコール分16%(原酒)、製造年月30.4、出荷年月30.10」。製造年月と出荷年月をそれぞれ表示しているのは、非常に親切。惜しむらくは、製造年月とは何を意味するのか、ひとこと添えていただければ、なお良し。

 蔵のホームページによると「富久福」のコンセプトは「伝統銘柄で、食事に寄り添い、様々な温度帯で楽しんでいただけるお酒です」とのこと。

 また、酒名の「michiko」は杜氏・美智子さんのこと。裏ラベルには「美智子醸」と書かれている。酒名の「90」の意味は精米歩合90%のこと。

酒蛙

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