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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3703】清鶴 純米 ひやおろし(きよつる)【大阪府】

2019.1.25 22:50
大阪府高槻市 清鶴酒造
大阪府高槻市 清鶴酒造

【H居酒屋にて 全5回の①】

 なじみのH居酒屋の店主から電話がかかってきた。「初蔵酒が2種類入りました。初蔵ではないけど、新しい酒も3本入りました。テイスティングに来てください」。で、おっとり刀で暖簾をくぐった。わたくし、H居酒屋に、一言コメント付きの酒メニューをつくってあげているのだ。「お酒の特徴がよく分かり、注文するときに便利」と、お客さまから大好評とのこと。そのためにはテイスティングをしなければならない。

 H居酒屋の店主は、わたくしにとっての初蔵酒を探し、店に入れてくれる。わたくしが、全現役蔵の酒を飲むことを目指していることを知っている店主は、これに協力してくれているのだ。ありがたい、感謝感激だ。

 最初にいただいたのは「清鶴 純米 ひやおろし」。もちろん、見るのも聞くのも初めてのお酒だ。

 酒蛙「辛みがあるね」

 店主「懐かしい味。好きな人は大好きだろうな」

 酒蛙「そうそう。昭和レトロ的熟成感的クラシカル香味が少しある」

 店主「なかなかだ。いわゆる日本酒だ」

 酒蛙「日本酒オールドファンが喜ぶお酒だね。味が強い。後味が長く続く。辛みが甘みを伴う。酸がほんの少し出ている。辛みがいいね。悪くない」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「ひやおろしは厳冬期に蔵人が丹精込めて醸した新酒を春に火入れ(加熱)し、低温の蔵の中で静かに熟成させ、晩秋に蔵出しされる酒です。新酒の風味を残して色も香りも味わいも格別。昔は蔵人だけのひそかな楽しみだったこのひやおろしを当蔵では、厳格な品質管理のもと、四季を通じてお届けしています」

「ひやおろし」は、初秋から晩秋にかけて蔵出しされるのが一般的な中にあって、「ひやおろし」を四季を通じて出荷しているとは驚きだ。初めて知った。

 また、蔵のホームページはこの酒を「タンクでじっくり熟成し、旨味が増した純米酒を瓶に詰めました。淡麗にして濃醇、キレがすっきり。お米だけで造った手造りの自信作」と紹介している。「淡麗」と「濃醇」という相反する味わいが同居するとは異なもの。このような表現も初めて見た。

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合70%、アルコール分15度、製造年月30.10」で、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、その他のスペックも開示している蔵のホームページでは、以下のように品種名を開示している。「日本酒度±0、酸度1.4、アミノ酸度1.4、酵母 K901、原料米 五百万石・日本晴」

 けっこうな辛口酒に感じたが、スペックを見ると日本酒度が±0。この値は甘口酒のもの。しかし、実際は辛口に感じる。スペックと体感の乖離は、よくあることだ。

 使用米の「日本晴」は愛知県農業試験場が1957年、母「ヤマビコ」と父「中新110」を交配、育成と選抜を繰り返し開発。1963年に命名され、一世を風靡した飯用米品種(主食用米品種)だ。

酒蛙

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