メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3678】小左衛門 Dessin 米の芯 生酒(こざえもん)【岐阜県】

2018.12.30 13:25
岐阜県瑞浪市 中島醸造
岐阜県瑞浪市 中島醸造

【S居酒屋にて 全13回の⑥】

 日本酒研究会の遠征場所が開かれ現会員・OB会員合わせて10人が参加した。場所はMうなぎ屋さん。それぞれ9種類の酒を飲み解散。このうちF、SA、わたくしの3人で二次会に繰り出した。場所は、わたくしなじみのS居酒屋。市内繁華街の中心地にある。わたくしは、酒のユニークな品ぞろえが気に入っている。

「太閤 門傳 純米」「東錦 純米 生貯蔵」「東錦 極 大吟醸 生貯蔵」「綿屋 純米大吟醸 雄町」「綿屋 百年酵母 特別純米」と飲み進め、店主が6番目に持ってきたのは、「小左衛門 Dessin 米の芯 生酒」だった。

「小左衛門」は、比較的飲む機会が多い酒で、今回の酒を含め、これまで当連載で8種類を取り上げている。地味めだが落ち着いた味わいの酒、というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 SA「酸が強く出てきて、苦みが最後に残る」
 F 「自分は、苦みを感じるっす」
 酒蛙「落ち着いた香り。すっきり、さっぱりとした飲み口で、やわらかな旨みあり、辛みあり。酸も感じる。苦みもある。この酒のテイスティングをひとことで表すのは極めて難しい」
 店主「はい。味が複雑ですね」

 瓶の裏ラベルは、この酒のコンセプトを以下のように説明している。

「我々はいつから、お酒を『頭で飲む』ようになってしまったのでしょう。本来のお酒の楽しみ方は、その土地の風土や造り手の哲学が1本のボトルに表現されたお酒を、それぞれの飲み手が自らの『感性』でもって楽しむことが一番だと考えます。コンセプト・ワーカーズ・セレクションは、このような『感性に訴えるモノづくり』を一番に開発された商品たちです」

 裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分16.5度、精米歩合60%、製造年月2018.10」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。コンセプトを見ると、かなりのこだわりを持って、この酒を醸しているのが分かる。それならば、なおのこと、使用米の品種名を開示すべきではないだろうか。

 また、特定名称の区分が非開示なのも残念だ。スペックから純米吟醸か特別純米だとおもうが、これを公表しない理由が分からない。消費者のことを考え、情報公開はどんどんすべきだとおもう。

 ところで、斬新なラベルデザインにびっくり。白い大きな円は、よく見るとコメではないか! 酒はコメからできていることを印象づけようとしているのだろう。このデザインは、「広島にある対馬デザイン事務所の対馬肇氏の作品」というネット情報がある。4種類のコメを写実したものをデザイン化したもので、コメの心白も分かるリアル画だ。

 酒名の由来については、蔵のホームページの年表を見れば分かる。そこには、以下のように書かれている。「元禄15(1702)年:当代 中島小左衛門用信が年貢米を活かし酒造りを始める」。つまり「小左衛門」は、初代当主の名前だったのだ。それにしても年貢米を生かし酒造りを始めたとはすごい。もともとは「始禄」というブランドだったが、2000年に新ブランド「小左衛門」を立ち上げた。

酒蛙

関連記事 一覧へ