メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3667】直実 特別純米(なおざね)【埼玉県】

2018.12.18 16:43
埼玉県熊谷市 権田酒造
埼玉県熊谷市 権田酒造

【日本酒研究会番外編 全7回の②】

 日本酒研究会の遠征場所が開かれた。この会は単なる異業種間交流の飲み会だが、毎月欠かさず延々、足掛け12年も続けている。会員のみなさまは、研究熱心なのだ。12年もやっていると、異動でメンバーがかなり変わる。OBとも旧交を温めたい。ということで年に1~2回、OBが多く居住している市に遠征し、飲み会を開いている。場所はMうなぎ屋さんと決まっている。今回は新旧研究員10人が集まった。

 この番外編を開くときは、お酒を持ち寄る。とくに、わたくしが飲んだことのない蔵の酒を持ち寄るのがお約束となっている。今回、初蔵酒は2種類のはずだったが、うち1蔵を直前にM居酒屋で飲んだため、結果的に初蔵酒は1種類。ありがたいことだ。感謝、感謝、だ。

 さて、初蔵酒「秩父小次郎 純米生原酒」をいただき、次に源平合戦の武将・熊谷次郎直実を名に冠する「直実 特別純米」をいただいてみる。SAがこの酒を購入したときは“初蔵酒”だったが、2週間前、わたくしがたまたまM居酒屋で「直実 大吟醸」(当連載【3647】)を飲んでしまったので、幻の初蔵酒になってしまった。しかし、心意気はありがたい。感謝、感謝、だ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「さらり、きりりとした飲み口」
 SA「後味が粉っぽい」
 酒蛙「やわらかなタッチ。酸と旨みが適度に出ている。やや辛みもある」
 女将さん「苦みがくる。余韻が短い」
 みんな「女将さん、すごい表現だな♪」
 H 「女将さんの感想に同感」
 酒蛙「“残り感”がある。押し味がある」
 B 「酸味が出ているね」
 M 「飲んでいると、だんだん味が出てくる。辛みもちょっと出てきた。いろんな味が出てくるね」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「地元産の酒造好適米『さけ武蔵』を吟醸づくりで醸した地の酒です。冷や良し、燗良し、ふくよかですっきりした味わいをお楽しみください」

 また、蔵のホームページはこの酒を「熊谷産の酒蔵好適米・さけ武蔵を吟醸づくりで醸しました。骨太でふくよか。温度毎に様々な味わいが楽しめます」と紹介している。

 ラベルの表示は「辛口、原材料 米(国産)米麹(国産米)、酵母 協会901号、原料米 さけ武蔵(熊谷産)100%使用、精米歩合60%、アルコール分15%、日本酒度+4.0、酸度1.3、アミノ酸度1.5、製造年月30.10」。

「さけ武蔵」は埼玉県農林総合研究センター水田農業研究所が1992年、初めての埼玉県オリジナル酒米を開発しよう、と母「改良八反流」と父「若水」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、2004年に命名、2007年に種苗法登録された酒造好適米。

 酒名「直実」の由来について裏ラベルは、以下のように説明している。

「熊谷次郎直実は平安鎌倉期に活躍した郷土の先達です。頼朝公から『日本一の剛の者』と称賛される一方、一ノ谷合戦での平敦盛公との場面は人間味溢れる武人として歌舞伎『一ノ谷嫩軍記』や幸若舞『敦盛』、『平家物語』などに語り継がれています。やがて仏門に帰依した直実は法力房蓮生として法然上人の弟子となり、深い信仰心と行動で上人から『坂東の阿弥陀仏』と讃えられたと云います。愛馬・権田(太)栗毛の物語、東行逆さ馬や十念質入れの伝承など、直実・蓮生に纏わる伝説は数多く、ゆかりの寺院は全国に存在し、くまがい草や熊谷桜にも御名を留めています」

酒蛙

関連記事 一覧へ