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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【713】相模灘 特別純米 美山錦 槽場詰め 無濾過 生原酒(さがみなだ)【神奈川】

2012.2.14 18:29
神奈川県相模原市 久保田酒造
神奈川県相模原市 久保田酒造

【日本酒研究会月例会 ④】

 気の合う酒友たちと月に1回、酒を飲む日本酒研究会。名はもっともらしいが、内実は単なる飲み会。今回、会場のM居酒屋の店主が繰り出したのは、「羽根屋 純吟 槽場直汲み 無濾過生」「花巴 弓絃葉 純米吟醸 無濾過生原酒」「姿 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒 中取り」とフルボディー3連発。言ってみれば4番バッター3連発。

 そして、4番バッターとして登場したのが、「三連星 無濾過生原酒 純米吟醸 渡船6号」(当連載【499】参照)。しかしホームランバッターの強打4番ではなかった。やわらかい飲み口で旨みと酸味がくる好打者といったところ。フルボディー3連発のあとだから、なんだか舌をリセットさせるために店主が起用したような感じ。しかし、これはこれでいい酒だ。

 このあと、店主が5番目に出してきたのが、今回の「相模灘 特別純米 美山錦 槽場詰め 無濾過 生原酒」だ。スペックを表ラベルに書いている。こういう意匠の酒は、蔵の自信作とうかがえる。いただいてみる。

 F 「すんげぇ~!」

 酒蛙「すんげぇ~! セメダイン香(酢酸イソアミル系の芳香)、酸、コメの旨みがいっぱいだあ。またまたフルボディー酒の登場だ。フレッシュ感もある」

 S 「もんのすごくいい」

 酒蛙「こりゃ、4番バッターだね」

 F 「セメダイン香があり、フルーティーなお酒だ」

 I 「パイナップルのような香りがする」

 S 「キターーーーーーっ!!!」

 I 「バナナ香もする。いやあ、これ、いいっすねぇ~」

 S 「旨いなあ~~~」

 酒蛙「厚み、旨み、酸味…みんな濃くていいなあ。甘みもある」

 F 「どっしりしている」

 酒蛙「力強い。骨太で、すこし、やんちゃだな」

 F 「発展途上のようなところが好き」

 酒蛙「この日1番目の『羽根屋』は、よくできた長男、これはやんちゃな次男か。やんちゃな次男がかわいい。そんな感じのお酒だ」

 店主「ふふふ、適格な表現です」

 S 「控えめな苦味もある」

 酒蛙「うん、余韻に苦味がある。これ、いいなあ」

 1番、2番、3番がいずれもフルボディーの3連発。4番目にやわらかい飲み口の酒を挟み、5番バッターに再びフルボディーの起用。今回の店主は、ホームランバッターで打線を組んでいるようだ。濃醇甘旨酸味フルボディーが大好きなわたくしたちは大喜びだ。

 蔵のホームページは、この酒について、以下のように紹介している。

 「長野産美山錦を55%まで磨き上げて仕込んだ特別純米酒。吟醸造りをベースとしていますがあくまで米の旨味をバランス良く引き出すことを念頭に置いて仕込んでいます。上槽後一切手を加えず直接槽場から瓶詰めしているので搾りたての美味しさをダイレクトに味わって頂けます」

 うん、たしかにコメの旨みが引き出されている。この酒も原料米を「美山錦」と明示している。こうでなくっちゃ。多くの酒瓶ラベルに見られる、単なる「原料米 国産米」の表示だと、飲む側は興ざめだ。

酒蛙