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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【730】辣味娘(からみむすめ)【青森】

2012.3.2 21:17
青森県弘前市 三浦酒造店
青森県弘前市 三浦酒造店

【娘シリーズ 全2回の②完】 

 わたくしが、キワモノ酒名やキワモノラベルにタダナラヌ興味を示すことを知っている酒友Zさんが、わたくしに「モヒカン娘」の存在を教えてくれたとき、併せて「辣味娘」という酒があることを教えてくれた。ともに「味ノマチダヤ」の企画もの。

 酒友Zさんの思うつぼ。わたくしは激しく反応し、ゲットしたくてたまらない、見たくてたまらない、飲みたくてたまらない、撮影したくてたまらない、の突発性“たまらない症候群”を発症し、直ちに注文した。

 「モヒカン娘」「辣味娘」という、2人のあやしい娘を前にして、ムフフフとしずかに笑うわたくし。別に手ごめにするんじゃないからね、あんまりやんちゃしないで、おとなしくしているんだよ。まあ、そんな感じで娘たちを見つめるわたくし。朝顔模様の浴衣姿の「モヒカン娘」とは異なり、バラ模様の芸者風着物の「辣味娘」。こちらの方が姉さんみたいだ。いや、姐さんか。それもそのはず、1升1,890円の「モヒカン娘」に比べ、「辣味娘」は2,650円なのだ。値段もお姉さんだ。

 最初に「モヒカン娘」を飲んだ。一言でいうと、旨甘酸っぱい、やわらかい飲み口。「モヒカン娘」などという、暴走族かとおもうような、やんちゃイケイケモードとは大違い。いたって真っ当な中身だった。人は見かけで判断するんじゃないよ、てな感じのお酒だった。

 そして次にいただいたのは、「辣味娘」だった。“娘をいただく”という表現は、いささか引っかかるところではあるが、まあいいのだ。まずは冷酒で。

 フルーティーな香りが立ち、含み香もフルーティー。厚みは適度でやや軽快。すっきりした飲み口。やや辛口。これも「モヒカン娘」同様、旨味と香りに豊盃的DNAを感じるが、「モヒカン娘」の方が、豊盃的DNAが多くあるような気がする。と最初のうちはおもっていたが、いやいや、飲み進めていくと、この娘も豊盃DNAがたっぷりだ。

 酸味も適度にあり、バランスが良い。これは旨い。抜群の食中酒。飲み進めていくと、辛味が出てくる。旨味、酸味、辛味、香りがミックス状態。絶妙なバランス。余韻は辛味と苦味。「モヒカン娘」の方がやわらかく膨らみがあり、こちらの方がややシャープな飲み口。一言でいうと、「モヒカン娘」は旨甘酸っぱい、「辣味娘」は旨辛酸っぱい、というような飲み口だった。

 続いて、「娘」をお湯に入れてあたためてあげる。これも、表現に引っかかるところがあるが、まあ、いいのだ。どうも、ブッ飛びラベルにつられ、文章もブッ飛びモードだ。湯温は45℃。お風呂としては熱すぎるが、お酒としては、ぬる燗よりちょっと高い「上燗」。いただいてみる。

 辛さが前面に出てくる。余韻も辛味。香りと旨味が膨らみ、広がる。「辣味娘」が躍動する。酸味はやや影をひそめる。しかし40℃くらいに下がってくると、辛味に代わり酸味が前に出て来る。余韻は辛味と苦味。香りが広がる。豊盃的DNAがむんむん。

 「味ノマチダヤ」のホームページを見ると、この酒のクラスは「特別純米」。「辣味娘」と銘打っているだけあって、酒度は2ケタ!!! 激辛口の数値である。ところが、飲んでみると、そんなに辛くは感じない。辛いことは辛いのだが、2ケタ酒度ほどは辛くは感じない。おそらくは、旨味や甘みもかなりあるため、相殺されて辛さが引っ込んでいるのだとおもうが、所詮浅学菲才酔脳の憶測でしかない。とかなんとか言ったが、要は、めちゃくちゃ旨いのだ。

 娘2人、どちらがお好みか? と問われると、答えに窮する。どっちも好みだから。ちなみにネット情報によるとこの2人に加え、「ビキニ娘」「裏ビキニ娘」もラインナップにあり、4人娘として売り出しているんだとか。いやはや、すごいなあ。

 ところで、素朴な疑問。なぜ「辛味娘」ではなく、「辣味娘」と表示したのだろうか???

酒蛙

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