メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【737】亀泉 純米吟醸原酒 CEL-24 生酒(かめいずみ)【高知】

2012.3.11 13:12
高知県土佐市 亀泉酒造
高知県土佐市 亀泉酒造

 日曜日の夕方、近くのH居酒屋へ、ふらりと晩酌へ。この日は、せんだって店の冷蔵庫の仲間入りした「亀泉 純米吟醸原酒 生酒」を、あらかじめ飲むつもりで来た。「亀泉」はこれまで何種類か飲んできたが、いずれも好印象。だから、今回の酒を飲むのを楽しみにしていた。

 ラベル全体がスペック。う~ん、自信作のようだ。が、飲む前にスペックを見ると、舌が影響されそうな気が。そこで、ラベルを見ないで、いただいてみることにする。客がいないので、店主を相手の晩酌。まずは冷酒で。

 店主「入り口が好き。後味が甘い。酸があって好き」

 酒蛙「甘いっ! 旨いっ! 酸っぱい! 吟醸香が華やか! フルーティー! ジュースを飲んでいるような感じだよ」

 店主「常連客Sも『ジュースを飲んでいるみたいだ』と、同じようなことを言っていたよぉ」

 ここで、おもむろにラベルのスペックを見る。まず驚いたのは、原酒なのにアルコール度が低いことだった。また、酒度の低さにも仰天だ。

 酒蛙「アルコールが14.5度と低い。原酒なのに。こんなに低いとは! また、厚みがありコクもあるのにアミノ酸度が1.0とは低い! びっくりだあ」

 店主「味的には好きです」

 酒蛙「いいよ、これ。甘酸っぱい飲み口。吟醸香が華やかだね。-14ほど甘くない。酸があるからだろうな」

 店主「甘いことは甘いけどね」

 後日、蔵のホームページを見てみたら、甘酸っぱいこと、原酒なのにアルコール度数が低いこと、酒度が低いこと、香りが立つこと、などは、高知県工業技術センターが開発した酵母「CEL-24」の特長なんだそうだ。謎が解けた。

 さて、いつものように、このお酒を燗にして飲んでみる。温度は40℃。ぬる燗である。まずは、燗ができるまで、店主と飲み口の予想をする。そんな時間というか、間合いがなかなかいい。

 店主「燗は面白いだろうね。酸が勝つか、甘みが勝つか」

 酒蛙「酸でしょう。楽しみだな」

 ぬる燗ができた。いただいてみる。

 店主「あ、酸が来た」

 酒蛙「でしょ。甘旨酸っぱいよ。いいなあ、このお酒」

 店主「いいよ、これ。甘さが邪魔にならなくなる。キレが良い」

 酒蛙「旨いっ! このお酒、燗の方がいいなあ」

 店主「うん、いいっ!」

 この酒を「ぬる燗」で飲んで喜んだ店主とわたくしだが、後日、蔵のホームページを見たら、なんと「キンキンに冷やしてお飲み下さい」とのこと。常温はお薦めできません、とのこと。う~む、だ。でも、発泡系の酒以外は燗にできない酒は無い、が持論のわたくし。今回も、燗酒が旨かったから、蔵元さんが想定していなくても満足、満足、だ。でも、こんど飲むときは、キンキンに冷やしてお酒を試してみようっと。

 蔵のホームページは、この酒を以下のように紹介している。

 「甘酸っぱい香りの非常に高い酒。

 広島県産米の八反錦50%を使用。一番の注目は高知県工業技術センターで開発された酵母、CEL-24使用という所でしょう。この酵母はCEL-19の弟分にあたり、非常に香りが高くまた酸味もあり、甘酸っぱい味で、香りに関しては兄貴の倍ぐらいあります。アルコール13~14%(原酒)、日本酒度が約-10~ー11度と甘口です。これはこの酵母の特長でこれ以上は発酵していきません。そういう性質の酵母みたいです。

 飲み方は、キンキンに冷やして、また氷を入れて冷酒で。常温だと甘ったるくなるのでお薦めできません。余り日本酒が得意ではない人や女性にピッタリだと思います。

 とにかく、非常に香りの高いフルーティな酒です。超お薦め」

酒蛙