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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【749】奥鹿 生酛 山田錦60 無濾過生原酒(おくしか)【大阪】

2012.3.26 17:32
大阪府豊能郡能勢町 秋鹿酒造
大阪府豊能郡能勢町 秋鹿酒造

【K居酒屋にて 全4回の③】

 酒友「オタマジャクシ」との飲み会。年上のわたくしが「蛙」なら、年下の彼は「オタマジャクシ」。彼は最近、そう名乗っている。飲み会の場所は、なじみのK居酒屋。ここではわたくし、ずっと、燗酒しか飲んでいない。

 「天遊琳 手造り 純米 直汲み生 伊勢錦2009」「宗玄 漲 特別本醸造 無濾過生原酒」と飲み進め、3番目は「奥鹿 生酛 山田錦60 無濾過生原酒」。「秋鹿」「奥鹿」とも燗映えするお酒。生酛とくればなおのこと燗に向きそう。期待がふくらむ。

 酒蛙「おっとぉ!熟成感があるぞ。生酛由来とおもわれる酸があっていいね」

 オタマジャクシ「甘みはあまり感じない。熟成感はあるけど、そう気になるものではない」

 酒蛙「ややや、ラベルを見たら『2009年月上槽』と書いている。3年熟成モノだったんだあ。熟成感を感じて当然だったんだ」

 オタマジャクシ「いい感じですね」

 酒蛙「うん、これはいいね。奥に深い旨みのある、しっかりした味で、最初のインパクトも後口も酸が支配する」

 オタマジャクシ「そう、ずっと酸を感じたまま推移しますね」

 酒蛙「熟成していて、キレが良い。余韻に辛さがあり、スパっとキレる感じだが、旨みを感じる。アミノ酸度は1.1だけど、飲んでみると1.1より高いとおもわれるような飲み口だ」

 オタマジャクシ「燗冷ましの温度になってきたら、さらに酸が出てきたよ」

 酒蛙「そうそう、いいね、いいね。ミルキーのような古本屋のような、表現不能な味わいだ」

 辛さを感じるため、ちょっと無愛想、あまり人に媚びないような酒質におもえた。しかし、そこがいい。無愛想だから飲み飽きしない。飲めば飲むほど、複雑な旨味がじわじわ出てきて滋味豊か。食中酒として、ずっと飲み続けていられそうなお酒だった。

 ラベルに「原料米 田中農場産山田錦 100%」と、きちんと酒米の品種と産地が表示されているのがいい。ん? 田中農場といえば、鳥取県だ。このK居酒屋では「諏訪泉 田中農場」(当連載【450】参照)も定番として置いている。田中農場産が好きな居酒屋だ。たまたまなだけかもしれないけど。

酒蛙

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