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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【773】片野桜 山廃純米 無濾過生原酒(かたのさくら)【大阪】

2012.4.26 11:14
大阪府交野市 山野酒造
大阪府交野市 山野酒造

【K居酒屋にて 全3回の②】

 午後6時から、同業者との飲み会。それが終わってから、場所を替え、こんどは仕事のパートナーHさんと2人で、K居酒屋で飲む。トップバッターは「綿屋 特別純米 生原酒 美山錦」の燗酒。

 そして、2番目は「片野桜 山廃純米 無濾過生原酒」。初めて見るお酒。もちろん、飲むのも初めてだ。店のチー女将Yちゃんが「酒蛙さんが来るっていうから店主が、わざわざ用意したお酒なのよ」。う~む、泣かせることを言うではないか。それなら、なおのこと飲みたい、飲まなければならない、飲む、の“飲む三段活用”だ。このお酒も、燗酒で飲んでみる。温度は上燗(45℃)のあたりだ。

 H 「おおっ! これくらい特徴がなければ勝負できないぞ、って感じの酒質。後味まで徹底してコンセプトを考えたんでしょうね」

 酒蛙「立ち香はバニラっぽい。飲むとやや強い辛さが出てくる。一緒に旨み・甘みも出てくる。軽快な飲み口。印象的な酸も来て、キレがいいね」

 H 「そんな感じですね。酸が来ます。後味に、ちょっと苦みがあります」

 酒蛙「うん、余韻にずっと苦みが残るね。旨みが複雑で表現不能。こりゃ、大人の酒だね」

 この酒を味わっていたら、店主がやってきた。「どうでしたか?」と感想を聞く。店主はこの酒をまだ飲んでいない、という。わたくしたちは、感じたままのことを伝える。そして、店主と楽しく酒談議に花を咲かせる。店主との酒談議は、居酒屋で飲むときの大きな楽しみだ。宅酒だと酒談議ができないもんね。

 あらためて、酒瓶をながめる。肩ラベルに「平成二十三年三月二十四日 上槽」と書かれているのはユニーク。裏ラベルに小さい文字で表示しているところはたまに見かけるが、肩ラベルに上槽日を明記するのは初めて見た。

 表ラベルには「山田錦全量使用」と使用米を明らかにしている。そして、裏ラベルには、以下のようにこの酒を紹介している。

 「上槽した後、オリを沈澱させて上澄みだけを加水、濾過せずにそのまま瓶詰めした無濾過原酒です。濃醇でふくよかな味わいとさらりとキレる後味は、まさに日本酒の醍醐味です(後略)」

 じっさいに飲んだ印象では「濃醇でふくよか」とは、わたくし個人的にはあまり感じなかった。むしろ、辛さが出て、シャープな印象を受けた。しかし、「さらりとキレる後味」は、まさにラベルに書いてある通りだとおもった。

酒蛙

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