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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【850】酔鯨 備前雄町 純米吟醸(すいげい)【高知】

2012.7.23 18:23
高知県高知市 酔鯨酒造
高知県高知市 酔鯨酒造

【水無月会月例会 全6回の④】

 不特定少数の“飲み人”が月1回、Y居酒屋に集う水無月会。毎回必ず、7人前後の人が集まり、酒を楽しんできたが、今回は、なんと11人も集まった。これまで最多の参加者数だ。「銀嶺立山 吟醸」「久保田 翠寿」「東一 純米吟醸 Nero」と飲み進め、4番目に選んだのは「酔鯨 備前雄町 純米吟醸」だった。備前は岡山県。すなわち、雄町発祥の地である。

 「酔鯨」と「雄町」という組み合わせは、あまり目にしない。というか、わたくしのイメージに無い。ということで、興味津々でいただいてみる。

 女性Sさん「辛みを感じる」

 ヨネちゃん(水無月会会長)「これが本当の辛口だ。『酔鯨』が雄町を使うのは珍しいね。“味のある辛口”って感じのお酒だ」

 酒蛙「旨いっ! 『酔鯨』のDNAがたっぷりある。旨みがしっかりし、後味に辛みがある。余韻も辛み。前に出る強めの酸がさわやかで軽快、キレが良くシャープで酒の輪郭がしっかりある」

 男性Iさん「好きです。酔って候♪」

 酒蛙「おっ、山内容堂公/柳ジョージだね。余韻は、辛みの次に苦みがくる」

 幕末の土佐の殿様山内容堂公は、大の酒好き。自らを「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」と称した。この酒の銘柄名「酔鯨」は、「鯨海酔侯」に由来する。司馬遼太郎は、「酔って候」と題した作品で山内容堂公を書いた。また、柳ジョージは、山内容堂公をモチーフに「酔って候」という曲を世に出した。

 ちょうどそのとき、女将が、カツオのたたきを出してきた。

 男性Iさん「おおっ、カツオといえば土佐。まさにカツオに『酔鯨』ですね」

 酒蛙「このお酒は、旨みがふくらむ。やっぱり『雄町』はいいなあ。Sさん、こんなタッチのお酒が好きでしょ」

 女性Sさん「おいしい、おいしい。おかわりしちゃった」

 ヨネちゃん「味に奥行きがある。いいね」

 酒蛙「いやあ、いい酒だ。余韻の苦みがいい。しっかりしたやや骨太な味で。味にメリハリがある」

 全員に大好評。あっという間になくなった。

 蔵のホームページは、この酒を以下のように紹介している。「伝統的な酒米『雄町』で醸す純米吟醸酒です。雄町の特徴である芳醇な旨みを引き出しながらも、酔鯨のキレの良い酸味を組み合せ、今までにない純米吟醸酒に造り上げました」

 蔵のホームページが、この酒を「味わい指数3.69 香り指数2.06」と表現しているのには驚かされた。味わい指数や香り指数は、初めて目にした指数だ。いったい、どんなデータをもとにはじきだした数字なのだろうか? 酒造業界で広く使われている指数なのだろうか? 

 あと、瓶の裏ラベルに興味深いことが書かれている。「杜氏 土居教治」。ここまでは、ほかの蔵でもよく杜氏の名を明らかにしていることだ。興味深いのはその次だ。杜氏名の下に「出身地 広島県安芸津町」と書いているではないか。蔵によっては「能登杜氏」とか「南部杜氏」と書いているところがあるが、杜氏の出身地まで書いているラベルは、そうざらにはない。

 使用米の品種をはじめ酒のスペックや、杜氏名、杜氏の出身地など、酒造にかかわる多くの情報を開示しているのは、非常に好感が持てる。

 精米歩合は50%。

酒蛙