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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【901】土佐しらぎく 特吟(とさしらぎく)【高知】

2012.9.25 18:53
高知県安芸郡芸西村 仙頭酒造場
高知県安芸郡芸西村 仙頭酒造場

【E居酒屋にて 全7回の①】

 先だって、酒友Jから電話がかかってきた。「俺、今夜ヒマなんだけど、一緒に飲まないか?」。Jとわたくしは、毎月開いている日本酒研究会のメンバー。“月一”では足りず、飲みに出よう、というわけ。なんとも研究熱心なことだ。

 が、あいにくその日、わたくしは予定が入っていた。で、せっかくの誘いを無にしたくないので翌週、Jと一緒に飲むことにした。場所は、ほぼ1年くらいご無沙汰しているE居酒屋。その存在をすっかり失念していた。不義理の罪滅ぼしにE居酒屋で飲むことにした。

 冷蔵庫を見ると、酒の顔ぶれがだいぶ変わっていた。こりゃ、楽しみだ。知らない酒ばかりなので、酒の選定や順番はママに任せることにする。こちらは、ブロイラーよろしく、出されたものをただ飲むだけでいいから楽だ。

 こうしてママがトップバッターに選び、わたくしたちが座るカウンターに置いたのが「土佐しらぎく 特吟」だ。特吟とは珍しい。特別純米は一般的だが、特別吟醸とは初めて目にした。いやはや、いろいろあるものだ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「旨いっ! 旨みがあり、酸味があって、苦みがあり」

 J 「重くないね。心地よい。キレも良い。最後にバニラ香がある。すっきり軽いタッチだけど、ビビっとくる」

 酒蛙「うん、軽めだけど味がある。おいしい。適度な吟醸香がある。苦みをすごく感じる」

 J 「はい、苦みがありますね」

 酒蛙「タッチがやわらかいけど、辛さも感じるお酒だ」

 さすが、ママだ。トップバッターを心得ている。濃醇横綱重量級の酒を最初にもってくれば、次の展開が難しくなる。この「土佐しらぎく」は、軽めだけど、味がある辛口。飲み飽きせず、食中酒として最適。このような酒をトップに配置すれば、「土佐しらぎく」も生きるし、次の酒も生きる。Jとわたくしは、この酒を飲みながら「さすが、ママだね」と褒めた。

 しかし、ラベルには「原材料名 米・米麹・醸造アルコール、国産米100%」とだけしか表示されておらず、使用米の品種を明らかにしていないのは残念だ。精米歩合は50%。大吟醸並みの削りだ。

酒蛙