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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【902】愛乃澤 純米 雄町 生酒(あいのさわ)【栃木】

2012.9.27 20:02
栃木県佐野市 相澤酒造
栃木県佐野市 相澤酒造

【E居酒屋にて 全7回の②】

 酒友Jとの2人酒。Jとわたくしは、毎月開いている日本酒研究会のメンバーだが、2人だけで飲むのはおよそ2年ぶり。研究会の場所は、いつもM居酒屋だが、今回はE居酒屋のカウンターに座った。E居酒屋は、わたくしのなじみの店だが、このところご無沙汰。久しぶりに暖簾をくぐった。

 まず、ママ推薦の「土佐しらぎく 特吟」をいただく。酸味があり、軽めのタッチだが、味のある辛口酒で、絶好のトップバッター。続いてママが持ってきたのは「愛乃澤 純米 雄町 生酒」だった。初めて飲む銘柄。興味津々でいただいてみる。

 J 「わおっ! 甘い」

 酒蛙「うん、甘いね。酸は感じられない。コメの旨みたっぷりのお酒だ。厚いけどフレッシュ感がある」

 J 「はい。旨み、ありますね」

 酒蛙「それにしても、この甘みはすごい。やわらかな香りもある。全体的に丸いイメージ」

 J 「アテ要らずですね」

 酒蛙「そうそう。重厚においしいから、酒だけで飲めるね」

 ママ「(わたくしたちの感想をそばで聞いていたママも飲んでみる)あーーーっ! 本当に甘い。これなら私にも飲める」(なんと、ママは、この酒を味見しないで売っていたのだ)

 J 「酒ビギナーとっては、酒を好きになるきっかけをつくってくれるお酒だとおもう」

 酒蛙「とろりやわらかい。ずいぶん粘着的なとろり感がある。なにかで割ればいいかも」

 J 「このお酒は、ロックにすればいいかも」

 酒蛙「俺ならハイボールにすればいいかも」

 J 「クラッシュアイスにしてもいいかも」

 ということで、この日、7種類の酒を味わったあと、「愛乃澤 純米 雄町 生酒」を炭酸で割って飲んでみた。すると、味ががらりと変わった。

 J 「まろやかなタッチになる」

 酒蛙「酸がずいぶん出てくるね。びっくりしたよ」

 J 「炭酸の酸かもしれないよ」(本当だろうか。あやしい説だとおもうが、Jは理科系出身なので、いちがいに否定できない妙な説得力がある)

 酒蛙「いい感じ。おいしいよぉ」

 ママ「あーーーっ! さっき飲んだときと全然違う。これ、いいっ!!!」

 「愛乃澤 純米 雄町 生酒」は、甘さが太い柱で立っているようなイメージのお酒だった。この甘さは、酒米「雄町」に由来するものなのか、杜氏の技術によるものなのか。わたくしはオマチスト(雄町酒が好きな酒飲みのことを言う新造語)で、雄町酒を好んで飲んできている。雄町酒は蔵によって、全然違う顔の酒になる傾向にあるが、その中での共通点がいくつかあるが、その1つに甘さがある。それにしても、これほど甘い雄町酒は初めて。角がとれた、味の膨らみ・広がりからすると、雄町というより山田錦に近い。これにはびっくりした。Jではないが、ビギナーに喜ばれるお酒かもしれない。

 精米歩合は60%。

酒蛙