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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【955】村祐 亀口取り 無濾過生原酒(むらゆう)【新潟】

2012.11.20 17:15
新潟県新潟市 村祐酒造
新潟県新潟市 村祐酒造

【I居酒屋にて 全4回の①】

 年2回やっている飲み会がある。20年以上前、仕事で知り合った人たちと、ここ10年ほど計5人で飲んでいる。わたくしが最年少。うち1人がことし亡くなった。話題の導入はもっぱら、病気のこと。70歳代の飲み会はこういうものか、とおもうが、話はたちまちタイムマシン的に20年以上前に戻る。昔話もまた、楽しい。わたくしは70歳代ではないが、昔話に興じる、ということは、精神的には70歳代か。

 高齢者ばかりの飲み会なので、〆の時間が早い。今回も午後8時半ごろにはお開きになった。さて、単騎で次はどこへ行こうか。その前にトイレだ。ん? 用を足していると、聞き慣れた甲高い女性の声が聞こえる。なんだ、なんだ。トイレから出てみると、なじみのスナックのママが友人と飲んでいる。

 「あ~ら蛙さん、一緒に飲もう」。ママに誘われて隣に座る。「この時間、飲んでていいのか? 店に出なくていいのか?」「いいのよぉ、お客さんの予約入っていないも~ん」。ママが「お酒を選んでよ」というから、わたくしは「村祐 亀口取り 無濾過生原酒」を選ぶ。

 さっそくいただく。おおっ! 旨いっ! 甘旨酸っぱい。ふくよか、まろやか。やわらかい、やさしい。旨みたっぷり。どっしり厚みがあるが、すっきり感がある。メリハリの効いた、存在感のある高レベルのお酒。今風の酒質だ。わたくしは「村祐」について、まったりした甘めのお酒、というイメージを持っていたが、それとは全然違う。驚いた。というより、わたくしが持っていたイメージが間違っていたのか。

 酸味酒が好きなわたくしにはたまらない。この爽やかな酸に身をゆだねると、自然と酒が進む。この酸は食事にも合う。フレッシュでフルーティーな甘旨酸っぱさともいえる酒質で、さながら甘めの白ワイン。いいなあ。

 わたくしの口に、どんぴしゃりで合うお酒だった。原料米はなんだろう、とおもってラベルを見たが、「原材料名 米(国産)、米麹(国産米)」とだけ記されており、コメの品種は非開示。すこし興ざめだ。

 ママに誘われなかったら、この酒を飲むことはなかった。旨酒に出会えたのはママのおかげ。感謝しなくっちゃ。

酒蛙

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