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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【984】久礼 純米酒(くれ)【高知】

2012.12.20 18:47
高知県高岡郡中土佐町 西岡酒造
高知県高岡郡中土佐町 西岡酒造

【忘年会 全4回の①】

 わたくし、酒も好きだが、昆虫も好きだ。酒は大人になってからだが、昆虫は小学2年生のときから。虫とは相当長い付き合いだ。当然、虫仲間ができる。気の合う虫仲間と年3~4回、飲み会を開いてきた。が、1人は昨年亡くなり、ほかの1人は現在入院中。ことしの忘年会は、3人だけの寂しいものとなった。

 酒を飲むのはわたくし1人だけ。あとの2人はサントリー角の水割りオンリー。ということで、酒はわたくしの判断で選択する。会場となったH居酒屋の冷蔵庫を見て、「久礼 純米」とトップバッターに起用する。

 まずは冷酒でいただいてみる。ファースト・インプレッションは甘みを強めに感じたが、飲んでいると甘みはあまり感じなくなる。酸味がある。旨みは適度で、まろやか。余韻に苦みがある。香りは抑え気味。五味のバランスが良く、肩が凝らずに飲める。食中酒にいい酒質だとおもった。

 このような酒は、ぬる燗にすれば映える場合が多い。ということで、店主に40℃のぬる燗をつけてもらう。甘さがちょっと出て、酸が前に出てくる。やわらかくふくらむ。やさしい飲み口。これはいい。香りも出てくる。予想通りの展開だ。うれしくなって、店主にも薦める。店主は「酸を感じます。いいですね」。

 瓶の裏ラベルには「土佐の一本釣りの町 久礼の地で、約230年の歴史をもつ蔵元が日本最後の清流といわれる四万十川の伏流水で仕込んだ純米酒です」と書かれている。「久礼」とは、蔵がある地名なのだ。

 蔵のホームページはこの酒を「米の旨味とコクのある味わい。ぬる燗または少し冷やしてお召し上がり下さい」と紹介している。たしかにコメの旨みとコクを感じる。ひとことで言うならば、「どこか懐かしさを感じる、ほっとする酒」だ。

 ラベルによると、原料米は「愛媛県松山三井」100%。精米歩合は60%。「松山三井」は、愛媛県農事試験場が、母「近畿25号」と父「大分三井120号」を交配させ、育成・開発した品種。1953年に「松山三井」と命名された。

酒蛙