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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1003】出羽鶴 環 山廃 純米吟醸(でわつる、たまき)【秋田】

2013.1.14 20:50
秋田県大仙市 秋田清酒
秋田県大仙市 秋田清酒

【Y居酒屋にて 全3回の②】

 ときは2008年4月、Y居酒屋での飲み会。わたくしは、同業他社のKさん、Oさんと仲が良く、季節ごとにY居酒屋で飲んだり、あちこちの山に一緒に登ったりした。

 山の案内役はわたくし。Kさん、Oさんは初心者のため、およそ1時間くらいで登れ、山頂からの眺めがすばらしい山を中心に案内した。1時間くらいであれば、ゆっくり登れば、体にストレスを感じることなく楽しく登れるからだ。山は、楽しくなければいけない。体に無理をかけ、必死のおもいで登る、というのは、初心者はやってはいけない。

 そのような配慮をして出かける山旅だから、楽しくないわけはない。2人は素直に感動、大いに喜んだものだった。よっぽど心に残ったとみえ、年賀状に毎年、山での記念写真を印刷するほどだった。そして、登山が終われば反省会と称し、Y居酒屋で飲む。登山を話題に飲む。登山を追体験する形となり、楽しさが増幅される。

 Y居酒屋の女将は、わたくしたちが飲んだことのないであろう酒を用意してくれる。こうして、3人で飲んだ酒は、おそらくは数十種類にのぼったとおもわれる。

 今回の、3人での飲み会のトップバッターは「向井櫻 神の蔵 大吟醸」。続いていただいたのは「出羽鶴 環 山廃 純米吟醸」だった。

 飲んでみて、やわらかくおとなしいタッチに感じた。しっかりした旨みがある。上品で、女性的な雰囲気のお酒だった。山廃だと酸を感じ、コクを強く感じる場合が多いが、このお酒の場合、酸をあまり感じなかった。もっとも、これはわたくしだけが感じなかった可能性は無くもなく、ほかの人が飲んだら酸を感じるかもしれない。

 ラベルには「有機米使用清酒」と書かれている。なんだろう、とおもいながら蔵のホームページを開いてみたら、「有機JAS法の認定農家が作った、有機『酒こまち』を全量使用。ふくよかな香りと、凝縮された豊かな味わいが特徴」と、この酒を紹介していた。「ふくよかな香り」「豊かな味わい」は同感だ。

 使用米の「秋田酒こまち」は、秋田県農業試験場が1992年、母「秋系酒251」(「五百万石」の子)と、父「秋系酒306」(「華吹雪」の子)を交配、選抜と育成を繰り返し開発。2004年に品種登録された新しい酒造好適米だ。この酒の精米歩合は50%。

 また、ネットを調べていたら、「『環たまき』の命名は,自然のサイクルを表現しています」という記述を見つけた。

 さて、その後のKさん、Oさんだが、まもなくKさんが退職、続いて一昨年、Oさんも退職し、この3人での飲み会はいま、開かれていない。しかし、Kさんからくる年賀状には「また、一緒に飲みたいね」というコメントが必ず入っている。

酒蛙