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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1004】秋鹿 鄙の春 純米大吟醸 雫生酒(あきしか、ひなのはる)【大阪】

2013.1.15 21:46
大阪府豊能郡能勢町 秋鹿酒造
大阪府豊能郡能勢町 秋鹿酒造

【Y居酒屋にて 全3回の③完】

 ときは2008年4月、Y居酒屋での飲み会。わたくしは、同業他社のKさん、Oさんと仲が良く、季節ごとにY居酒屋で飲んだり、あちこちの山に一緒に登ったりした。飲むときは、Y居酒屋と決まっていた。Y居酒屋の女将は、わたくしたちが飲んだことのないであろう酒を用意してくれる。こうして、3人で飲んだ酒は、おそらくは数十種類にのぼったとおもわれる。

 今回の、3人での飲み会は「向井櫻 神の蔵 大吟醸」「出羽鶴 環 山廃 純米吟醸」と続け、3番目にいただいたのがおなじみ「秋鹿」の「秋鹿 鄙の春 純米大吟醸 雫生酒」だった。しっかりした造りで知られる「秋鹿」。期待を込めていただく。

 酒が、ためらいなく、すっと入ってきた。「秋鹿」らしく、酸が前に出てくる。味わいはしっかりしているが、それほど厚みはなく、旨みも適度でやや抑えられ、全体としてやわらかい印象を与えるため、実に飲みやすい。いい。いくらでも飲めそうだ。大吟醸だが、吟醸香は派手ではなく、やさしい感じ。純米大吟醸ときくと、すこしビビるが、この酒は、肩から力を抜いた状態で、食中酒として楽しめそうだ。

 ラベルによると、使用米は能勢産山田錦100%。精米歩合は50%。使用米が生産された「能勢」とはどこなのだろうか。蔵の所在地も能勢町だ。ウィキペディアで調べてみたら「大阪府最北端に位置し、町内は山林・田畑が多く存在する。『大阪の軽井沢』『大阪の北海道』『大阪のチベット』と表現される場合があり、この表現から推察される様に、町内全域が標高200m(天王地区は500m)地帯で大阪市内と5 - 6℃気温差があり、夏は涼しいものの、冬は氷点下まで冷え込む事が多い」とのこと。

 なるほど、能勢町はいわゆる田舎。で、酒名は田舎を意味する「鄙」。すなわち、酒名の「鄙の春」は、蔵の所在地に訪れた春、という意味だったのだ。そして、田舎の春をことほぐ酒だったのだ。そう考えれば、この酒のタッチがやわらかく、やさしい感じなのに合点がいく。春の日差しって、やわらかく、やさしいから。

 さて、Y居酒屋にはメニューがない。女将が適当にみつくろい、コース料理を出してくれる。値段不明。しかし、これが絶品。おいしいし、料理に品がある。このコースの〆は、毎年春の定番となっているタケノコの若竹煮。この吸い物が、実に美味いのだ。採りたてのタケノコのスライスとワカメが入っているだけなのだが、吸い物のだしが絶品。カツオベースのだしだが、ほかに必殺技のナニカがある、とみた。

 さて、3人はY居酒屋でこのあと3種類ほどの酒を飲んでから、歩いて近くのH居酒屋へ。そこでは「裏・雅山流」「来福」「臥龍梅」を飲む。それで終わらず、Zスナックへ転戦。そこにいた共通の知人を巻き込んでカラオケ合戦。ウイスキー「山崎」の水割りを飲みながら、カラオケ合戦に熱。気が付いたら、午前零時を大きく回っていた。

酒蛙

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