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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1048】白真弓 飛騨やんちゃ 男酒 本醸造辛口(+11)(しらまゆみ)【岐阜】

2013.2.14 20:06
岐阜県飛騨市 蒲酒造場
岐阜県飛騨市 蒲酒造場

【岐阜にて 全3回の②】

 岐阜市で仕事関係の会議があった。会議が終わってから、ホテルで懇親会。「氷室 大吟醸 生」を楽しんでから、酒飲みグループ10数人で街に繰り出し、S居酒屋に入った。

 年季を感じさせる店にわたくしたちは単純に喜ぶ。この店で最初に飲んだのが「白真弓 飛騨乃やんちゃ 搾りたて原酒 特別本醸造生」。これが非常に旨い酒で、わたくしたちのご機嫌指数は一気に跳ね上がった。

 次にいただいたのが「白真弓 飛騨やんちゃ 男酒 本醸造辛口(+11)」。というより、S居酒屋には酒が2種類しかなく、好むと好まざるにかかわらず、これを飲むしかなかったのだ。とはいっても飲んだことがない酒だったから、喜んでいただく。

 ラベルに「+11」「辛口」の字が躍る。たしかに辛口だが、辛口というよりはドライなタッチ。飲み飽きしない。コメの旨みが適度にあるので、それほど辛みを感じない。すっきりとした飲み口。ひとことで言うと淡麗辛口か。酸味は1.6と表示され、酸が立つ数字ではあるが、じっさいはあまり酸を感じない。毎日飲む晩酌酒に適している。

 店主は「このお酒、どうですか?」と感想を求める。上記のような感想を言うと、「そうですかぁ…」と店主はひどくがっかりした表情。けっして悪く言っているのではないのだが…。さきほど「白真弓 飛騨乃やんちゃ 搾りたて原酒 特別本醸造生」を褒めたら、ものすごく喜んだが、今回はひどい落ち込み。感情の起伏の激しいい店主だ。

 さて、この酒は、荒々しく書かれたラベルの「近ごろ 女々しい男が多すぎる 男はひたすら 黙って酒を飲む」がユニーク。

 また、蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「『近ごろ女々しい男が多すぎる!!男はひたすら黙って酒を飲む』『日本に真な男がいなくなった 飛騨にはまだやんちゃな奴が居る』をキャッチフレーズの淡麗辛口の酒。すっきりとしている口当たり、じわじわと辛いという、隠れた男の優しさを舌に感じる味わいがある」

 ふむ。“真な男”は黙ってこの酒を飲むのか。しかし、わたくしたちは、口角泡を飛ばす勢いであれこれしゃべり続けながらこの酒を飲んだ。なにしろ、飛騨の男じゃないもんね。

 ラベルによると原材料名は米・米麹・醸造アルコール。精米歩合は60%。蔵のホームページによると、使用米は「ひだほまれ」という。「ひだほまれ」は、岐阜県高冷地農業試験場が1972年、「ひだみのり」と「フクノハナ」を交配してできた子供を母に、父「フクニシキ」と交配、選抜と育成を繰り返し開発。1982年に品種登録された酒造好適米。

 「白真弓」という酒名がユニークで気になった。で、蔵のホームページを開いたら、以下のような由来が掲載されていた。

「宝永元(1704)年、初代・蒲登安によって創められた当蔵は、それから三百年の永きに渡り、水豊かな米処飛騨古川の地で、連綿と変わることなく酒造りをしてまいりました。酒銘『白真弓』は、【ひだ】にかかる枕詞『しらまゆみ』に由来しております。万葉集には、『しらまゆみ 斐太の細江のすが鳥の妹に恋れか いをねかねつる』(巻代十二)の一首がありますが、なぜ『しらまゆみ』なのかは、飛騨に檀(まゆみ)の木が自生していたからだろうといわれております。現在では、古川人の気質を言い表す『やんちゃ』をいただきました『やんちゃ酒』も大きなブランドに育ち、白真弓、やんちゃ酒を主として、発泡酒や高濃度酒、低アルコール酒など多彩なお酒をとりそろえております」

 なお、飛騨市古川の古川祭は「やんちゃ祭り」とも言われているそうだ。三大裸祭りの一つと言われているそうで、YouTubeで見てみたが、全体像がよく分からなかった。いずれにせよ、飛騨市では「やんちゃ」がひとつのキーワードになっているようだ。

酒蛙