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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1050】織星 純米吟醸(おりほし)【埼玉】

2013.2.15 17:09
埼玉県深谷市 丸山酒造
埼玉県深谷市 丸山酒造

【埼玉からの贈り物 全2回の①】

 酒友Kは、自称・埼玉の地酒応援団長を名乗っており、地元の地酒会にまめに出席している。面白い酒があると、「お味はいかがですか?」とわたくしにも送ってくれる。出張先でも各地の地酒研究に余念がなく、とにかくエネルギッシュだ。

 そのKから、お酒が2本送られてきた。地酒会に供された酒で、飲んでみてよかったから、とのことだった。その1本「織星 純米吟醸」をいただいてみる。「織星」については以前、横浜市の居酒屋で「織星 純米 無濾過生原酒」(当連載【802】参照)をいただいたことがあるが、純米吟醸は初めて。

 グラスに注いでびっくりした。薄黄色なのだ。ふつうの無濾過酒よりまだ色が濃い。あたかも熟成酒のような色をしている。含むと、吟醸香が口の中に広がるとともに、製造年月が平成24年12月なのに、熟成香がほんわりふくらむ。

 旨みが広がり、甘みもある。とろり感がある。酸味はあまり感じられない。ふくよか。おだやか。丸い。吟醸香と熟成香とフルーティーな風味が一体となって広がる、甘旨酒。余韻の最後の締めくくりは苦味がすこし。しかし、製造年月が平成24年12月とは! わたくしの舌には、これは熟成香としかおもえないが、熟成香じゃないとしたら、いったいこの風味・香りなんなんだろう??? 飲み進めていたら、甘さが強く感じられるようになってきた。

 次に、ぬる燗を試してみた。温度は40℃のぬる燗。

 旨みがやわらかくふくらむ。やさしい。甘い。奥に酸がすこし出てくるが、基本的には冷酒のときと同じ…だとおもったら、いや、熟成香がいなくなった。大きな違い。吟醸香は大きく広がる。

 封緘ラベルには「徹底した自然醸造と手造りで醸す。近代化にあえてこだわらず 自然環境を利用した寒造りに徹した蔵です」と書かれ、瓶の裏ラベルはこの酒を「軽いふくよかな甘さの中に柔らかな酸味が調和します。すうっと引けるキレの良さも感じられます」と紹介している。「ふくよかな甘さ」は、その通りだとおもった。

 蔵のホームページによると、この酒の特長として①軽いふくよかな甘さの中に豊かな香りが調和します②食中酒としておすすめします③酒造米品種のルーツと呼ばれる「雄町」で醸造しました④江戸時代に発見された酒米「雄町」を使用することで酒の味がひろがり、豊かな風味を楽しめます-と列記している。

 わたくしが熟成香と感じたのは「豊な香り」「豊な風味」なのだろうか。

 瓶のラベルによると、「原材料名 米(国産)・米麹(国産米)」とだけ書かれているが、ホームページでは使用米を「雄町」と開示している。ラベルにも使用米を表記してほしいものだ。精米歩合は55%。

 また、蔵のホームページには、酒名「織星」の由来について、以下のように書かれている。

「平成13年より、丸山酒造の新たな酒として織星は誕生しました。名前の由来は、丸山酒造のある深谷は、現在日本で屈指の一大野菜産地です。とくに深谷ねぎやブロッコリー等が有名ですね。かつてこの地域は織物産業や養蚕業が発展していました。その織物の『織』と星がきれいに見える所でもあり『織星』と命名しました」

酒蛙