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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1085】土佐鶴 純米大吟醸(とさつる)【高知】

2013.3.6 22:43
高知県安芸郡安田町 土佐鶴酒造
高知県安芸郡安田町 土佐鶴酒造

【水無月会月例会 全7回の⑤】

 年齢不詳、職業不詳、下の名も分からないが、お酒は大好きという不特定少数が月1回、Y居酒屋に集う水無月会。足掛け5年を数えるこの会は一時期、参加者が4人くらいのときもあったが、近年は新しい人が参加するなど、だんだん増えてきた。今回は11人が参加する盛況ぶりだった。

 今回は「賀茂鶴 大吟醸 特製ゴールド賀茂鶴」「正雪 純米吟醸 山田錦 別撰 山影純悦 生貯蔵」「春鶯囀 純米 しぼりたて 生酒」「美丈夫 麗 生 うすにごり」と飲み進め、5番目に選んだのは「土佐鶴 純米大吟醸」だった。

 男性Iさんが「おおおっ! わたし、土佐鶴、大好きなんですよぉ~」と反応した。わたくしも内心、激しく反応した。なんてったって、ここ数年、家飲み晩酌酒は「土佐鶴 本醸辛口」(当連載【1】参照)一種類だけなのだから。が、ここでわたくしが語り出すと時間を食うので、反応は心の内にとどめておく。さて、いただいてみる。

 女性Nさん「おいしいわ。シュワシュワ(直前の『美丈夫』)もおいしいけど、これもおいしいわ」

 女性Sさん「ずいぶん、おとなしくて上品なお酒ね」

 酒蛙「やわらかい、おだやか。大吟醸だけど、吟醸香が抑えられているよ。しかし、ちゃんと味がある」

 女性Nさん「ああ、飲みやすい」

 酒蛙「余韻に辛みがあるね」

 女性Nさん「あたしには、イマイチ物足りないなあ」

 酒蛙「あのね、Nさん、これはそういう酒なのね。完成度が高い。甘みもある」

 男性Aさん「はい、甘みがありますね」

 ここで一転、ずっこけモードになる。わたくしはいつも家飲み晩酌で「土佐鶴 本醸辛口」を飲んでおり、この酒の日本酒度は+10(蔵のホームページより)。この+10にすっかり慣れきっている舌で「土佐鶴 純米大吟醸」を飲むと、甘みを感じる。だから、この酒の酒度が気になって、口にした。

 酒蛙「この酒の酒度は?」

 女性Nさん「+16です」

 みんな「え~~~っ!!!???」

 酒蛙「すごい。これはすごい。+16だとふつうはドライになり味が無くなるが、これは旨みと甘みもあって、辛みもある。ドライじゃない! すごい技術力だ。びっくりしたよぉ~」

 ま、このような会話が繰り広げられたが、いまこの記事を書くにあたり、撮影したラベル写真をあらためて見たら、日本酒度は「+4」ではないか。どこから「+16」などという突拍子もない数字が出てきたのだ? そうおもいながら、ラベル写真を見たら、その理由が分かった。女性Nさんは、アルコール分16.0度を酒度と勘違いして、わたくしたちに報告したのだった。分かってしまえば、なあんだ、である。

 瓶のラベルは、この酒を以下のように説明している。

「このお酒は、吟醸造りに最適な米『山田錦』を40%以下に精米して、厳寒期に杜氏が丹精込めて造りだした『純米大吟醸』です。大自然に育まれたお米から生まれる米本来のうまさを生かすため、土佐鶴秘伝の醸造法で深い香りとまろやかな風味に仕上げました。この芸術品とも云える土佐鶴『純米大吟醸』は、製造上ごく少量しか醸造できませんので、限定発売にておとどけ致します」

 また、ラベルでは、《味わい》として「純米大吟醸の深い香りとしっかりした味わいを楽しむため、冷やしてストレートで召し上がることをお奨めします」と紹介している。

 さらに、蔵のホームページは「際だつ吟醸の香りにしっかりしたコク。『大吟醸』の美味しさが実感できる手造りの純米大吟醸酒です」と紹介。飲み口は「やや濃醇やや辛口」としている。また、おすすめ料理として「新鮮な握り寿司、鮪のトロやイカ刺などとの相性は抜群です。深い吟醸香としっかりしたコクはフランス料理のメイン料理にもよく合います」などを挙げている。

酒蛙