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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3654】高砂 松喰鶴 純米大吟醸(たかさご)【三重県】

2018.12.4 21:03
三重県名張市 木屋正酒造
三重県名張市 木屋正酒造

【B居酒屋にて 全3回の③完】

 同僚と仕事のことで話があり、なじみのB居酒屋へ。いつもは飲むのが目的で暖簾をくぐるのだが、今回は話が目的。このため、飲んだお酒は3種類にとどまった。

 店の冷蔵庫から「山形正宗 純米大吟醸 雪めがみ」「白隠正宗 秋あがり 生酛純米」と選んで飲み進め、最後3番目に選んだのは「高砂 松喰鶴 純米大吟醸」だった。この酒は而今蔵のお酒だ。考えてみれば、当連載でこれまで「而今」を16種類も取り上げてきたが、この蔵のほかの酒は飲んでいなかった。

 この酒を手にしたとき、店長がひとこと説明してくれた。「この蔵が、冒険やチャレンジをするために、新たに設けたブランドです」。そりゃそうだろう。いくら「而今」が売れているからといって、「而今」ばかりつくっていると、新たなチャレンジができない。「而今」の名でチャレンジすれば、商品イメージが変わるからだ。蔵元さんの気持ちはよく分かる。人というものは、常に高みをめざし挑戦し続けなければならない生き物なのだから。わたくし個人的にはそうおもっている。

 ともあれ、まずはいただいてみる。甘旨酸っぱい。これが第一印象。穏やかな含み香。火入れなのだが、舌先に若干、微微発泡のチリチリ感フレッシュ感がある。ふくよかで、甘・旨・酸のバランスが非常に良い。中でも酸に軽快感があり、チャーミング。酒全体では厚(重)からず、薄(軽)からず。ジューシーで、極上のスイーツを飲んでいるようなイメージ。品がある味わい。これは旨い。

 何種類もある「而今」とグラスを並べ飲み比べてはいないのでなんとも言えないが、「而今」が濃醇でガツンとくる存在感たっぷりの酒だとすると、「高砂」は中庸で飲みやすい品のある酒とでも言えようか。

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料 米(国産)米麹(国産米)、原料米 三重県産山田錦100%、精米歩合45%、アルコール分16%、無濾過、製造年月2018.09」。

 酒名の「高砂」は、「而今」を世に出すまで同蔵の主銘柄だった。今回、復活させたことになる。

酒蛙

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