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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1234】豊の秋 純米吟醸 出雲之風(とよのあき)【島根】

2013.7.23 19:55
島根県松江市 米田酒造
島根県松江市 米田酒造

 友人Mさんから「俺、結婚することになったんです」と報告を受けた。Mさんは50歳代半ば。奥さんに先立たれ、長く、男やもめ暮らしを続けてきた。それが、ひょんなことから縁が生まれ、とんとん拍子で進展したという。

 それはおめでたい。わたくしはさっそく祝う会を企画、飲み仲間3人で、こじんまりとした祝う会を開いた。ふだんは酒量があまり多くないMさんだが、この日は痛飲した。しあわせいっぱいの気持ちが満面にあらわれているMさんを見ていると、こちらまでうれしくなってしまった。

 新婚旅行は島根県の隠岐の島。奥さんの希望だという。旅行から帰ったMさんがわたくしの仕事場にたずねてきて、「これ、お土産です」と渡したのが「豊の秋 純米吟醸 出雲之風」だった。「お酒、よく分からないんで、選択に困りましたが、これでよろしかったでしょうか?」と心配そうなMさん。「『豊の秋』は、非常にいい酒だよ。どれも間違いないよ。いい選択だったよ」とわたくしが言うと、Mさんはほっとした表情を浮かべた。

 家に持ち帰り、冷やしてからいただいてみる。上立ち香は、酸っぱそうな香り。含んでみると、やっぱりその通り酸が強い。そして旨みたっぷり。酸の背後に甘みがちゃんとある。余韻は苦み。五味満載の濃醇なお酒。余韻は酸味と苦み。ふくよかで力強い、存在感たっぷりのお酒だった。

 次に、ぬる燗にしていただいてみる。温度はちょうど40℃。

 含んだ最初の印象は「おっ、やわらかいタッチだな」とおもったが、すぐに強い味が、ドドーンとくる。酸もある。甘みもある。旨みたっぷり。味がみんな強い。力強い骨太酒。味の強い料理でもへっちゃらの強さを持っているお酒だった。

 瓶の裏ラベルはこの酒を「出雲地方の美しい自然と風土が島根県独自の米を使用した純米吟醸を造りあげました。(島根県産米)」と紹介している。原料米は「佐香錦100%」と明記している。

 また、蔵のホームページは、この酒を以下のように、この酒を紹介している。

 「出雲之風そよぐ島根県産酒造好適米100%の純米吟醸酒。清々しい吟香とやわらかに広がる旨味が特徴です。島根県オリジナルの酒造好適米『佐香錦』を使用し、しっかりとした呑み応えがありながら、爽やかな吟香と後味を表現し、神話の国にそよぐ出雲之風に酔わせてくれます」

 島根県ふるさと認証食品でもある。原材米は島根県産佐香錦100%、精米歩合は55%。「佐香錦」は、島根県農業試験場が1985年、母「改良八反流」と父「金紋錦」を交配。育成と選抜を繰り返し開発。2004年に品種登録された。

酒蛙