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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1247】千代寿 純米吟醸 しぼりたて 生 雪逍遥(ちよことぶき)【山形】

2013.8.7 23:18
山形県寒河江市 千代寿虎屋
山形県寒河江市 千代寿虎屋

【日本酒研究会月例会 全5回の①】

 異業種の酒飲み人が月1回、M居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。今回は異動でIとSが抜けた代わりにYが入り、5人での飲み会となった。

 まず、店主がトップバッターとして持ってきたのが「千代寿 純米吟醸 しぼりたて 生 雪逍遥」。すかさずMが、「俺がリクエストした酒なんだ」。

 山形県出身のMはことあるごとに「昔の山形の酒はね~」と講釈、そのとき決まって引き合いに出すのが、「千代寿」だった。はずみで、Mが「千代寿」をリクエスト、「No」を知らない店主が、店に入れたというわけだ。店主は「歴史のある蔵ですよ」と解説する。

 さて、ふだんMの話で耳にする「千代寿」とは、いったいどんな酒か。興味津々でいただいてみる。

 酒蛙「さっぱりしている。さっぱりしているけど、ふくよかさとやわらかさもある」

 M 「甘みがある」

 酒蛙「酸があって、いかにも夏酒って感じ。香りは抑え気味」

 J 「ずいぶんさっぱりしているね」

 M 「ずいぶんいい酒になってびっくりだ。俺が子供のころ、酒屋に買いに行ったときの『千代寿』は、ベタベタした甘い酒だったんだ」

 みんな「子供なのに、なぜ酒の味を知っているんだあ???」

 M 「・・・・・」

 H 「ラベルは、なぜ雪が降っているんだ? 涼しさを感じさせるラベルだね。夏に涼しさを呼ぼうとしているのかな。涼しい雰囲気はあるよ」

 J 「いいラベルだね」

 酒蛙「甘みも旨みもあり、コクが適度にあるが、Mさんが言うようにベタベタしない。フルーティーな酒だ」

 H 「一番バッターとして、いいね」

 酒蛙「飲み進めていたら、甘みと旨みをさらに感じられるようになってきた」

 J 「苦みも出ている」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

 「北の蔵から 香りに酔いし雪しずく 

粉雪舞う北の蔵からしぼりたての豊かな香りをお届けします。しんしんと雪降る冬には、しみじみと冬の酒。白銀の風雅をグラスに注ぎ、語るもよし、黙るもよし。そのまろやかな香りと気品に酔いしれながら」

 ぬぬぬ、この酒は夏酒じゃなかったのか? 瓶の色はいかにも夏酒でござい、という感じだが、違うのか? この文章を書くにあたり、いまいちど裏ラベルを見たら、蔵出し日は25年7月となっている。やっぱり夏酒仕様っぽい。夏に涼感を呼ぶため、冬を意識させるラベルや「雪逍遥」という名にしたのだろうか。

 蔵のホームページはこの酒を「季節限定 山形県酒造好適米”出羽燦々”を使用した気品のある華やかな香りと、柔らかくて幅のあるやさしい味わいです」と説明している。

 ラベルによると、原料米は「出羽燦々」100%で、精米歩合は55%。「出羽燦々」は、山形県立農業試験場庄内支場が1985年、母「美山錦」と父「華吹雪」を交配し、育成と選抜を繰り返して開発。1997年に品種登録された。山形県で栽培されている。

酒蛙