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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1336】三井の寿 ひやおろし 秋純吟 ポルチーニ 生詰(みいのことぶき)【福岡】

2013.11.4 14:05
福岡県三井郡大刀洗町 井上合名
福岡県三井郡大刀洗町 井上合名

【U居酒屋にて 全11回の②】

 オタマジャクシ&U&美女軍団と久しぶりに飲んだ。それぞれ単独の顔を見たり、あるいは単独で飲んだりしたことはあったが、フルメンバーで飲むのはおよそ5カ月ぶり。飲み会の場所は、オタマジャクシ(蛙のわたくしが年長なので、彼はオタマジャクシを自称している)推薦のU居酒屋。ここの店主は、お茶目なラベルの酒を入れるからうれしい。遊び心たっぷりのラベルは、わたくしの最も好むところで、面白ラベルを見ると、逆上してしまい理性を完璧に失う。

 トップバッターとしていただいたのは計画通り「安芸虎 千本錦 ひやおろし 純米」。メンバーが揃うまで、わたくしは店の酒メニューを見ながら、どの酒から飲み、以下、どういう順で飲み進めるか、いちおう考えていたのだ。

 ところが、この浅知恵計画は早々に破綻する。わたくしが目を離した隙に、美女軍団が「きゃーきゃー、このポルチーニのラベル、かっわいいぃ~~~♪♪♪」と高デシベルモードで話しているではないか。目をそちらに向けると、ガーーン!!! 計画に無い「三井の寿 ひやおろし 秋純吟 ポルチーニ 生詰」の瓶を勝手に出してもらい、くいくい飲んでいるではないか!

 こうなると、飲む順番の計画なんてあったもんじゃない。わたくしは、「キノコ」と「ミノムシ」の面白ラベルに完全にKOされ、理性は一万光年のかなたへ。で「俺にもちょうだい」。見ると「三井の寿」ではないか。面白ラベルの「三井の寿」というと、すぐ「三井の寿 夏純吟 cicala 生詰」(当連載【210】参照)がおもい出される。「cicala」(セミ)は、なかなかの旨酒だった。さて、これはいかに。

 美女Mさん「おいしい。ちょっときつい感じ」

 オタマジャクシ「すーっと入ってきて、後味に吟醸香がある」

 美女Fさん「酸味を感じる」

 酒蛙「うん、酸味がいい。吟醸香が来て、苦味がくる。苦味がずーっと続く」

 美女Oさん「たしかに香りが来ます」

 酒蛙「飲み進めていたら、甘みと旨みがずいぶん出てきて味わい深くなる」

 ところで、「ポルチーニ」とはいったい何なんだろう…。厨房にはまったく立たないし、洋食もほとんど食べないわたくし(居住するのはほとんどが居酒屋)にとっては、未知の言葉だ。わたくしのような人のために、瓶の裏ラベルは、以下のように説明している。「イタリアの松茸と言われている茸ポルチーニみたいに香高い純米吟醸酒です」

 なるほど。イタリアの松茸かあ。急にありがたがるのは、貧乏くさい地金のせいか、いかんなあ…と反省。それはともかく、「ポルチーニみたいに香高い純米吟醸酒」。イタリア松茸の香りがする酒じゃなく、イタリア松茸みたいに香り高い酒、という意味だ。たしかに、わたくしたちはこの酒の吟醸香を強く感じたが、これがポルチーニ級なのかどうかは、わたくしはに分からない。

 ラベルによると、「原料米 吟のさと100%、精米歩合60%」。「吟のさと」は、(独)農研機構九州沖縄農業研究センター筑後研究拠点稲育種ユニットが1996年、母「山田錦」と父「西海222号」(母は『山田錦』)を交配、選抜と育成を繰り返し開発。2010年に品種登録された新しい酒造好適米だ。“血”の4分の3が「山田錦」で占められているコメである。

酒蛙